エプソンダイレクトから、おっと目を見張る設計のコンバーチブル型Ultrabook「Endeavor NY10S」が発売された。ノートPCとしてもタブレットとしても利用できるコンバーチブル型には、代表的な変形機構がいくつかあるが、同機は「スライド型ノートPC」と名付けられたスタイルをとっている。
その変形フローは、ノートPC形状からディスプレイ部分を倒してキーボード方向に水平移動させると、タブレット形状になるというもの。ノートPC形状のときには本体・キーボード部分の中央からディスプレイが屹立する姿が、クラムシェル型と違ってユニークなところだ。
スペックをみるとCPUがCore i7-3537U、メモリが8GBという冒頭の段階で、同機がハイエンド寄りの構成であることがわかる。店頭で売られているコンバーチブル型UltrabookはCore i5搭載機が多く、それらとの差別化を図った形だ。ディスプレイはフルHDの11.6型でIPS方式、もちろんタッチ操作に対応している。直販価格は119,800円。BTOによるカスタマイズには対応せず、下記に掲載する標準構成でスペックは固定となる。
■主な仕様 [製品名] Endeavor NY10S [CPU] Intel Core i7-3537U (2GHz) [メモリ] PC3-12800 8GB [グラフィックス] Intel HD Graphics 4000 (CPU内蔵) [ディスプレイ] 11.6型ワイド液晶(1,920×1,080ドット) [ストレージ] 124GB SSD [OS] Windows 8 64bit [サイズ/重量] W303×D197×H19.8mm/約1.19kg [バッテリ駆動時間] 約6.0時間 [直販価格] 119,980円
ディスプレイの角度を自由に調節
使い勝手の面でまず触れたいのは、ディスプレイの角度を0度から75度の範囲で無段階に調整できることだ。タッチ対応の液晶パネルは、この製品に限らず表面がグレア加工されているため、この機構はありがたい。角度が固定された機種と違って、天井の照明が反射して使いにくいという状態を回避できる。また、ヒンジの固さも手で動かしやすく、使っているときにブレない、ほどよい加減であると感じた。
液晶パネルはIPS方式で、角度の違いによる色味やコントラストの変化はほとんど見られない。ドットピッチも凝縮されているので視認性はすこぶる良好。ただ、11.6型で1,920×1,080ドットのフルHD解像度は筆者にとってちょっとツラい。個人差はあると思うが、中高年ユーザーは拡大表示のお世話になることを想定しておくほうがいいだろう。ちなみに、編集部の30代諸氏はそろって「全然、問題ないっすよ」との回答だった。
そして次に触れるのが、「Endeavor NY10S」における最大の論点となるだろう。実は、あのデバイスが非搭載なのだ。
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