ノートPCのHDDを「M5 Pro XTREME」へ換装。その効果をじっくりと
それでは、実際に少し古いノートPCのHDDをM5 Pro XTREME(256GB)に換装し、パフォーマンスがどれだけ向上したかを紹介しよう。題材のノートPCは、先述した富士通の15.6型「LIFEBOOK AH77/D」(以下、AH77/D)だ。2011年夏モデルとして登場した製品で、スペック概要は以下の通り。
CPU : Intel Core i7-2630QM(2.0GHz)
チップセット : Mobile Intel HM65 Express
SATA : SATA 3.0(6Gbps)サポート
メモリ : PC3-10600 8GB(4GB×2)
HDD : Western Digital Scorpio Blue 750GB「WDC WD7500BPVT-16HXZT1」
OS : 標準はWindows 7だが、Windows 8 Pro 64bitをクリーンインストール
ノートPCのHDDをSSDに換装する際に注意しておきたいのは、ノートPCのSATAインタフェースがSATA 3.0に対応しているかどうかだ。今回のAH77/DはSATA 3.0に対応しており、最大6Gbpsでのデータ転送が可能。より古いノートPCでは、最大3GbpsのSATA 2.0までの対応となっているものが多い。
ただ、SATA 2.0とSATA 3.0はコネクタ形状などは同じで、電気的にも互換性がある。SATA 2.0対応ノートPCに、最新のSATA 3.0対応SSDを搭載することは可能だ。その場合、インタフェースの速度がボトルネックとなり、転送速度が最大300MB/sに制限されてしまうが、それでもHDDよりはるかに高速なので、SSD換装によるパフォーマンス面のメリットは十分に享受できる。
ノートPCからHDDを取り出してSSDに換装する手順や方法は、製品によって異なるのでここでは詳しく触れない。参考までに、AH77/Dのような15.6型クラスの据え置きノートPCは、ノートPC本体を分解しなくても、底面のHDDカバーネジを外すだけで内蔵HDDにアクセスで場合が多い。
なお、SSDへ換装する前に、標準HDDの中身を丸ごとSSDにコピーしておくと、以前と同じ環境をそのまま引き継ぐことが可能だ。既存のシステムが換装後のSSDから起動し、もちろんパフォーマンスは大きく向上する。
HDDの中身をSSDにコピーするには、HDDクローンツールとSATA-USBアダプタを使うのが一番簡単だ。M5 Pro XTREMEの場合、HDDクローンツールやバックアップツールのダウンロード先URLとシリアルコードが付属しているので、それを利用するとよいだろう。SATA-USBアダプタは付属していないので、別途用意する。また、換装元となるHDDの使用容量を、換装先のSSD容量よりも少なくしておく必要もある。動画/写真/音楽といったファイルを外付け型HDDに移動させれば、HDDの使用容量をすぐに減らせるだろう。
M5 Pro XTREMEでは、HDDクローンツールの「NTI Echo」とバックアップツールの「NTI Backup Now EZ」を利用できる。NTI Echoを使えば、HDDの中身を簡単にSSDに丸ごとコピー可能だ。これらのツールはWebサイトからダウンロードする |
また、換装の際に注意したい点がもう1つある。それはドライブの厚みだ。現在、ノートPCで一般的に使われている2.5インチHDDやSSDは、9.5mm厚と7mm厚に大別できる。9.5mm厚のHDDを7mm厚のSSDに換装することは可能だが(同じ9.5mm厚SSDへの換装も問題ない)、その逆に、7mm厚のHDDを、9.5mm厚のSSDに換装することはできないと思ったほうがよい(ノートPCの内部にそれだけのスペースがない)。Ultrabookを除くと、9.5mm厚のHDDを搭載するノートPCが多いのだが、M5 Pro XTREMEは7mm厚なので、どちらの場合でも対応可能だ。