ではU2913WMを使う目的やシーンについて考えてみよう。まずシネスコサイズということで映画観賞が考えられるが、対応コンテンツが少ない。だがゲームなら多くのタイトルで21:9をフルに使った映像が楽しめる。コアなゲーマーにはフルHD液晶を3枚使ったサラウンドディスプレイ環境を作る人もいるが、U2913WMならそれに近い環境がたった1枚で構築できる。ベゼルがないため視野もクリアだし、何より没入感が最高だ!

PC版の「DmC Devil may Cry」をプレイ。フルHD以上の負荷になるので、強力なGPUを使いたい

没入感が最大に味わえるのはFPS系。フルHD×3画面だと左右の端が視野に入らないが、U2913WMはほどよく広い。写真は「Crysis3」

U2913WMの応答速度はGtoGで8m/s。エンターテインメント向けの液晶に比べれば遅いことは否定できないが、普通にゲームを楽しめる程度の性能は出せる。ただし注意点として、ゲームによってはフルHD相当の画面を横にストレッチして表示するものもある。これはゲームによるので(新しいタイトルでもダメなものもある)、実際に動かして試してみるしか手はない。

実務派はもとよりRAW現像派にもオススメ

U2913WMの超ワイドな画面は実務面でも強力な武器となる。アプリを多数インストールすると、Windows 8のスタート画面は横にどんどん長くなっていくが、フルHDよりも横長なので見通しやすいのだ。

デスクトップも広くなる。ブラウザを2画面横に並べても、さらに横方向に余裕ができる。Twitterのタイムラインを横目で睨みつつ、資料を読み比べられるので作業効率が上がることまちがいなし。もちろんExcelのシート表示も広大だ。

Windows 8のスタート画面。フルHDだとこの画面の右1/3は隠れてしまうが、超ワイドなので一覧性も上がる

マイナビニュースを横に2画面並べて、さらにTwitterのタイムラインを表示できる余裕がある

そして、筆者のオススメはRAW現像。サムネールの一覧性が高まり、修正前後の画面を並べて比較しやすくなるので、作業の効率アップが期待できる。RAW現像のソフトはたいてい左右にヒストグラムや各種情報表示用の領域が居座るので、U2913WMの超ワイド液晶との相性は抜群。フォトレタッチやドロー系といったパレットを多数使うソフトでも効果が期待できそうだ。

「Excel 2013」の横に長い表もこの通り

「Lightroom 4」のサムネールも横にズラリ

2台のPCで同時に使えるが……

U2913WMは「ピクチャ・バイ・ピクチャ」、いわゆる“PBP”機能も搭載している。超ワイドなディスプレイを2分割し、左右にそれぞれ違った入力ソースからの画面を表示することができるのだ。

右下の写真は、DVI入力に検証用のWindows8 搭載PC(Core i7-3770、Radeon HD 7970)、Mini DisplayportにMacBook Pro Retina 13型モデル(Mid 2012)を接続しPBP表示させた状態。この後、Windows 8側は解像度を「1,280×1,024ドット」変更して正常な表示になったが、Mac側は最適な解像度が選択できず、表示が圧縮されたままだった。

PBPの設定画面。同時利用が不可能な入力ソースは選べない

PBP表示を有効にした直後。横2,560ピクセルが細く圧縮される

また、このPBP機能では、DVIとHDMI、DisplayPortとMini DisplayPortの組み合せができない。2台目の入力にHDMIを使いたければ、PC側はDisplayPortかD-Sub15ピンに限定される。このような制約もあるので、メインの画面で作業をしつつ、別のPCの状態を監視したい時などに使うオマケ機能と考えるべきだろう。

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