前述の通りU2913WMは縦横比21対9、いわゆる「シネスコサイズ」の横長パネルを使った液晶ディスプレイだ。フルHDよりも約1.33倍広い範囲を一度に表示できる。PCとの接続はDVIをはじめ5種類のインタフェースを選択可能だが、DVIを使用する際はPC側がデュアルリンクDVIに対応していないと、横2,560ドットの表示ができない点だけは注意したい。世代でいうとWindows Vistaより前のPCは、事前に確認しておくと無難だろう。

1.33倍という数値は少々微妙に感じるが、23型クラスのフルHD液晶を2枚横に並べると、画面左右の端はかなり意図して自分の首を振らないかぎり有効な視野に入らない。フルHD比1.33倍という面積はあまり無駄なエリアを出さないちょうどいい塩梅のサイズなのだ。

21対9の表示。最初のうちは違和感を感じるかもしれないが、すぐに慣れる

AH IPS方式の液晶を採用しているので、斜めから見ても色の破綻は少ない

液晶パネルはAH IPS、バックパネルはLEDなので視野角も広く、長時間使っても熱くなりにくい印象だ。消費電力は、「ワットチェッカー」を使い、Windows 8のスタート画面を表示させた状態で実測したところ、デフォルト設定(輝度75%)で29W、最高輝度で36W、最低輝度で14W。消費電力が気になる人でも安心して使えるだろう。

全体的なデザインおよび設計に派手さはないが、おろそかにしてほしくないところはしっかり押さえている。スタンドは上下動や首振りに対応し、自分の体格や設置環境に適応させやすい。USB 3.0対応のハブ機能もしっかり搭載。今どきの機能でないのは唯一“マルチタッチ対応”だけだが、横に長~いこの液晶でタッチはツラいので、なくても気にならない。

背面もスッキリしたデザイン。スタンド下部にはケーブルをまとめる穴がある

背面のポート類。DisplayPortで数珠繋ぎするための出力ポートや、USB3.0ハブ機能も用意

パネルを最大限に下げた状態(左)と上げた状態(右)。上下動は軽く力を加えるだけでスムーズに行える。チルト範囲は上21度下4度

ホビー目的で購入する際は、U2913WMはスピーカーを搭載していない点に注意したい。サウンドを聴く時は別途スピーカーやヘッドフォンなどの準備をしておこう。HDMIやDisplayPortからの音声信号は背面のステレオミニジャックからとり出すことが可能だ。

USBメモリなどの装着に便利な側面USB。液晶表面はハードコーティングが施されている

OSDメニューの画面。上下ボタンは入力ソース切り換えなどの機能にも変更できる

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