図1 PowerDVD 13 Ultra

サイバーリンクのPowerDVDは、PC用の動画再生ソフトである。PowerDVDは、その再生の美しさから、購入する価値のあるソフトとして人気が高い。DVDなどの再生に関しては、OSやエディション、販売形態によってサポートされていないこともある。したがって、高画質でDVDやBlu-rayを楽しむには必須ともいえる定番ソフトであると言えるだろう。2013年4月に最新バージョンとなる「13」がリリースされた。本稿では、新機能の一部などを紹介したい。

製品ラインナップは、Ultra、Pro、Deluxeの3つがある。主な機能の違いと価格は、以下の通りである。詳細については、同社Webサイトで確認して欲しい。

・PowerDVD 13 Ultra(11,800円) Blu-ray、DVD(CPRM含む)再生、3D立体視、DTCP-IP対応、PowerDVD Mobileが付属 ・PowerDVD 13 Pro(9,500円) 2D Blu-ray、DVD(CPRM 含む)再生 ・PowerDVD 13 Deluxe(6,980円) DVD(CPRM 含む)再生

おもなシステム要件は、以下の通りである。

・OS:Windows8、7、Vista、XP(SP3以上)。64ビット版OS上ではWOW64として動作 ・CPU:Blu-ray 3Dの再生には、Intel Core i5、AMD Phenom II X4以上 ・GPU:Blu-ray 3Dの再生には、Intel HD Graphic(Intel Core i5)、NVIDIA GeForce GTX 400シリーズおよびGeForce GT 240/320/330/340、AMD Radeon HD 6000および6000Mシリーズ(UVD 3 対応)

後述する新機能の4K再生を行うには、CPUはIntel 第三世代 Core i5以上が必要となる。再生環境によって、それなりのハードウェアが必要となるので、詳細はサイバーリンクのWebページを参照してほしい。

図2 サイバーリンクのWebページ

PCだけでなく、タブレット、スマートフォン用のPowerDVDもあり、連携した利用ができるのも魅力の1つだ。

図3 発表会で展示された各デバイス用のPowerDVD

Windows 8タブレット用のPowerDVD Mobileについては、こちらの記事を参照してほしい。もちろん、PowerDVD 13もWindows 8に対応している。インストールが完了すると、スタート画面にタイルが登録される。

図4 スタート画面にPowerDVD 13のタイルが登録

さらに、新しいシネマモードでは、Windows 8のタッチパネルにも対応する。

図5 Windows 8のタッチパネルに対応したシネマモード

ボタンなども大きくデザインされており、指での操作もしやすいように配慮されている。

4Kディスプレイへの対応

今回のバージョンアップでは、60以上の新機能や機能強化が行われた。その中でも興味深い機能を紹介したい。まず、もっとも注目されるのは、4Kディスプレイへの対応であろう。まず、現在の標準的なTVの解像度の4倍の解像度を持つ仕様だ。

図6 4Kディスプレイ(発表会資料より)

このような高い解像度が必要になっている背景には、家庭用TVなどでは、近くで視聴すると、"アラ"が目立つという点が指摘されている。これを解消するために、より高精細な画面が求められるようになった。しかし、現時点は、対応するTVやコンテンツもまだまだという印象だ。さらに、付け加えると4K対応放送は、2014年6月のブラジルワールドカップで試験放送される予定である。また、図4にもあるように、解像度も3840×2160(全米家電協会の規格)か4096×2160(デジタルシネマの標準規格)となるか正式には決まっていない(現在の地デジとBSでも、解像度が異なる状況であるが)。

サイバーリンクの馬場規隆氏によれば、TVよりも先にPCのモニタなどで高解像度が普及すると予想されるとのことだ。実際に、2560×1440ドットのWQHDクラスのモニタは、かなり安価になってきている。DisplayPortを搭載したグラフィックカードも一般化してきている。また、AppleのRetineディスプレイのように、15インチでありながら、2880×1800といった高精細なディスプレイも登場している。4Kとまでいかなくとも、高解像度ディスプレイの普及は進んでいるといえるだろう。発表会では、実際に4K解像度の動画のデモが行われていた。

図7 4K解像度の動画デモ

水滴までもが非常にクリアに表示されていた。上述したように、4K対応のコンテンツはまだまだ少ない。現状では、フルハイビジョンデータをアップスケール再生することとなる。そこで利用されるのが、TrueTheaterである。例をあげると、拡大コピーをするとボケた感じになる。その問題を解消するために、HDレベルの動画をアップスケール再生する際に、映像や色の輝度を調整し、美しく表示する同社の技術だ。この機能をBlu-rayレベルまで拡張した(従来はDVDレベルまで)。

図8 TrueTheaterによる再生の比較

右側がTrueTheaterで処理を行った画面である。少しわかりにくいかもしれないが、明るく鮮明に映っている。4Kなどの高解像度になると、従来のインターフェイスに問題が発生する。アイコンやボタンなどが相対的に小さくなり、操作性に問題が生じるのである。そこでPowerDVD 13では、解像度から自動的に最大170%まで拡大する。

図9 高解像度対応(発表会資料より)