超大容量ストレージにも対応できる余裕の筐体
コンテンツの制作過程においては、未圧縮状態の素材や制作途中の複数バージョンなど、大量の大容量データを取り扱うため、ストレージの容量をどれだけ確保できるかが重要な要素となってくる。
クリエイターに充実した作業環境を提供するため、WSS TQ2000-SではSilverStone製のミドルタワーケース「Temjin SST-TJ04B-E」を採用している。内部を見てみると、大型のハイエンド・グラフィックスカードも余裕で取り付けられる広大なスペースが目に入ってくる。そして、ケース前面には無数のドライブベイが用意されており、かなりの拡張性を有していることがわかる。
ベイを上から見ていくと、まず最上部に4つ設けられているのが本体前面からもアクセス可能な5インチベイだ。ワンタッチ式の固定具が取り付けられているので、ネジ止めをしなくてもドライブを固定できる。その下に位置しているのが、最大8台のHDD/SSDを搭載できる引き出し式の3.5インチベイユニット。ユニット上下のネジを取り外すと、ユニットごとストレージを外部に引き出すことができるので、複数のHDDの取り付け・取り外しを楽に行える。本体の最下部には固定式の3.5インチベイが1つあるほか、SSDを最大6台取り付けられる2.5インチベイユニットも、ケース中ほどの底面に用意されている。
さらに、3.5インチベイユニットの側面には放熱用のフィンが取り付けられており、ここへ本体右側面からの吸気が直接当たる内部レイアウトとなっている。HDDの熱がベイユニットに伝わり、フィンに当たる新鮮な外気によって拡散されるので、アクセス頻度の高いHDDを多数搭載した場合でも、効率の良い冷却が可能だ。
またこのケースは、ケース内の空気圧をケース外よりも高くする「正圧設計」を採用しているのも特徴だ。正圧のケースでは、吸気ファン以外のすべての開口部で排気方向に空気が流れるので、吸気ファンにダストフィルターを取り付けておけば、ケース部材のすき間などから侵入するホコリを少なくできる。人の出入りが頻繁なオフィスの床にマシンを設置する場合でも、内部をクリーンに保てるのがメリットだ。
正圧設計はパーツの冷却にも有利だ。吸気ファンからケース内に導かれた空気は、内部のさまざまなパーツから熱を奪ったあと、ケース外へ排出されるが、グラフィックスカードスロット周辺などの開口部が負圧状態になっていると、排出した熱気がケース内に逆流したり、外気圧が排気のさまたげになったりして、冷却の効率を下げる可能性がある。きちんとエアフローが考慮された正圧設計ケースなら、そのような心配がないので、より発熱の大きい高性能グラフィックスカードにアップグレードする場合も、熱の問題が起こりにくくなっている。