前回は、レコーダーベースの"全録"マシンである「DBR-M190」を取り上げた。今回取り上げるのは、テレビベースの"全録"マシンである「REGZA(レグザ) Z7」シリーズだ。DBR-M190とZ7シリーズとでは、レコーダーとテレビという違いだけでなく、約1年半の発売時期の違いがある。東芝の全録マシンが、どういった変化を遂げているのかを紹介していきたい。

関連記事はこちら
【レビュー】東芝の"全録"マシンを検証(その1) - 東芝「レグザサーバー DBR-M190」を今さら使ってみた(2013年3月20日)
東芝、USB HDDでタイムシフトマシンを利用できる全録テレビ「レグザ Z7」(2012年9月27日)

「タイムシフトマシン」搭載機の系譜をチェック

東芝は液晶テレビ「レグザ」シリーズで、4K対応機やCell搭載機などの特別なタイプを除いたフラッグシップモデルの型番に、"Z"の文字を使用している。最初に登場した"Z"が付けられた「レグザ」は、2005年10月に発売された「Z1000」シリーズだ。ただし、当時は東芝の液晶テレビの全てが「レグザ」というわけではなく、"レグザ"のブランド名が付けられていたのは、フラッグシップモデルである、この「Z1000」シリーズのみで、それ以外のモデルには、まだ"face"というブランド名が使用されていた。

2007年9月に発売された"Z"の3世代目となる「Z3500」シリーズでは、今では当たり前のことになっているが、業界で初めて、USB接続タイプの外付けHDDへの録画に対応した。W仕様のデジタルチューナー搭載で、裏番組録画に対応、DLNAにも対応するなど、現在のテレビの基本スタイルを作ったモデルだ。

Z3500が登場した翌年の2008年、大きな事件が起こる。HD DVD事業の終息だ。BDと市場を2分(?)していたHD DVD陣営の盟主だった東芝は、しばらくの間、光学メディアがDVDだけのレコーダーしかラインナップに持たないことになる。

「タイムシフトマシン」を初めて搭載した「CELL レグザ55X1」。写真は、発表会が行われたCEATEC JAPAN 2009の同社ブースでのもの

これ以降、東芝はテレビへの録画機能の搭載をより積極的に推進していき、そして2009年10月5日、「タイムシフトマシン」機能を搭載した「CELL レグザ 55X1」を発表することになる。55X1では、内蔵HDDの2TBがタイムシフトマシン用に割り当てられており、最大8chのテレビ番組を約26時間分、一時保管することが可能だった。

その後、2011年5月には「Z」シリーズで初めてタイムシフトマシン機能を搭載した「ZG2」シリーズを発売する。「ZG2」シリーズでは、1.5TBのHDDがタイムシフトマシン用に割り当てられており、最大6chのテレビ番組を約30時間分、一時保管することが可能だった。また2012年1月には、3D機能を非搭載とすることで低価格化した、タイムシフトマシン搭載機「ZT3」シリーズを発売している、

最新のタイムシフトマシン搭載モデル「Z7」シリーズ

これに続く「Z7」シリーズは、2012年10月に発売。「ZG2」シリーズからは2年半、55X1からは4年間が経過している。「Z7」シリーズはこれまでのタイムシフトマシンと異なり内蔵HDDが搭載されず、USB 3.0仕様の外付けHDDに番組の一時保存を行う。純正オプションのHDD「THD-250T1」はHDD容量が2.5TBで、うち2TBがタイムシフトマシン用だ。最大で6chの番組を約40時間分、一時保存することができる。

しかし、HDDのスタイルの違いは些細なことでしかない。最大の違いは、新しいユーザーインタフェースの採用だ。従来の「Z」シリーズや、前回取り上げた「DBR-M190」とは、まさに世代が違うと言ってよいだろう。

次ページ: 過去番組表からの検索よりも柔軟でバリエーションも豊富な「ざんまいプレイ」