Android向けの日本語入力アプリ「Google 日本語入力」が、長いβ版の末、正式版にアップデートされた。今回は、同アプリの特徴と使い勝手を紹介したい。
豊富な語彙が魅力のGoogle 日本語入力
Google 日本語入力は、2009年からPC向けに提供されてきた日本語IME。Google検索で活用されてきた形態素解析エンジンを応用し、多彩な変換機能、Webで使われている最新語を含む豊富な語彙など、独特の機能も盛り込み、しかも無償で利用できることから人気を得てきた。
2011年にAndroid向けの提供を開始。Androidは、もともと日本語の対応が貧弱で、日本語入力のためには別途IMEを用意する必要があった。日本市場登場前は、オープンソースの「iWnn」を利用した「Simeji」などのIMEが使われてきた(現在も日本市場向けの端末には、このiWnnを使った日本語入力を提供しているメーカーも多い)。その後、2010年9月に日本語IMEの雄ジャストシステムが「ATOK for Android」をリリース。こちらは有料アプリだったが、定評のあるATOKということで、今でも定番のIMEだ。 そして、2011年にAndroid向けGoogle 日本語入力のβ版が提供開始。こちらもPC向けと同じく、Web検索で培った最新語への対応が強く、無償であることも手伝って、今やAndroidの定番アプリになっている。
多彩な語彙と絵文字にも対応
さて、正式版となったGoogle 日本語入力。β版から正式版となった現時点での最新バージョンでは、x86プロセッサ搭載端末への対応、「マッシュルーム機能」の安定性の向上という、どちらかと言えばマイナーアップデートとなっている。これらの改善により、安定性が向上したことで、正式版へと格上げされたのだろう。ちなみにx86に対応したことで、Intel CPUを搭載したAndroid端末上でも利用可能になったのは、大きなトピックだ。
基本的な機能は、ほかのIMEと変わらない。日本語を入力すると、キーボード上部に変換候補が出てそれをタッチして選択。推測変換で次の文節が表示されるので、そのままタッチするか、改めて文字を入力していけばいい。動作は軽快で変換候補も豊富に表示されるので、入力に戸惑うことはないだろう。
ケータイ配列の場合、左下にある「あA1」の字種切り替えキーを押すと日本語、英語、数字の入力に切り替えができる。その上の「記号」キーからは、通常の記号に加え、顔文字と、対応アプリであればケータイ絵文字も入力できる。
加えて、ここに表示される絵文字以外でも、Unicodeで規定された絵文字やキャリア絵文字に関しては、文字入力後の変換候補にも表示されるようになっている。