カメラ機能をチェック

GALAXY S4はカメラ機能に注力している。画素数は背面が1,300万画素、前面が200万画素で、ともに裏面照射型センサーを搭載している。

GALAXY S4の背面カメラ

機能面で興味深いのがDual Camera機能だ。普通、カメラで撮影しようとすると、カメラを自分に向けて手を伸ばして……といった自分撮りはできるが、撮影者が一緒に写ることはできない。だがDual Cameraでは、背面と前面の2つのカメラを使って、1つの画面上に両方の画像を表示することができる。ちょうど「卒業アルバムの欠席者」のように、撮影者だけが別に写るかたちだ。

Dual Cameraは、背面カメラで撮影すると同時に正面カメラで撮影者を撮影する。フレームは変更可能

このほか、連写した画像の中から、重なり合わない画像を「動体」と判断し、その部分だけを選んで消すことができる「Eraser」機能も搭載する。2010年に富士フイルムがFinePix HS10に「動体キャンセル」という形で搭載した機能と同じ機能だ。カメラの世界ではあまり一般化しなかったが、スマートフォンに搭載したことで、ユーザーがどういった反応をするかが興味深い。

撮影時に連写をして、その中で動きのある被写体を検出。タッチで選んでいくと、その被写体が消える

動きのある画像を連写合成し、多重露光のように撮影する「Drama Shot」機能も搭載しており、こちらも同じ富士フイルムのHS10に搭載された「動体キャッチ」と同様の機能。

動きのある被写体を連写して合成するDrama Shot

これらの機能は、デジタルカメラの世界では廃れてしまったが、世界中で使われているGALAXYシリーズのようなスマートフォンに搭載することで、新しいユーザーが新しい楽しみ方を見つけるかもしれない。

一方、Xperia Zのカメラ機能は「高画質」をアピールしている。GALAXY S4もデジカメ部隊とスマートフォン部隊が協力しているが、Xperia Zでもデジカメ部隊と密接な関係を築き、画質に注力している。動画でのHDR撮影を可能にしたほか、サイバーショットでも定評のあるプレミアムおまかせオートなどの機能を搭載した。Xperia ZのカメラはGALAXY S4とは異なり、「カメラの新しい使い方」というよりは「カメラとしての機能」を磨いている印象だ。

Exmor RS for mobileを搭載したことによる動画HDR(左がオン)

続いてカメラ関係の機能を見ていく。GALAXY S4は、撮影画像で効果的なスライドショーが作成できる「Story Album」アプリを搭載。このほか、インカメラによる視線検出機能を使った機能として、動画閲覧時に視線が外されたことを検知すると一時停止する「Smart Pause」や視線を向けた状態で本体を傾けると画面がスクロールする「Smart Scroll」といった機能も備える。旧モデルでも、画面に視線を向けている間は画面オフにしない、という機能はあったが、これがさらに洗練されている。

プラットフォーマーを目指すGALAXY S4

機能面ではこのほか、「Samsung HomeSync」という新サービスも利用できる。これは、ホームサーバーとGALAXY S4を組み合わせ、端末内の画像や動画などをサーバーに保存してバックアップしたり、家庭内で共有したり、テレビの大画面で閲覧したりといったことが可能なソリューションだ。

Samsung Home Sync。保存したデータの共有、テレビへのデータの表示といったことが可能

こちらは、すでにソニーがパーソナルコンテンツステーションとして紹介しているソリューションと同等と言っていい。NFCで転送、HDMI経由でテレビに出力など、機能的には似ている。

ソニーのパーソナルコンテンツステーション。NFCで簡単にデータを保存でき、テレビに表示することができるのは同じ

GALAXY S4ではこのほか、テレビの操作ができるように赤外線LEDを搭載するが、Xperia Zは非対応となる。さらに、GALAXY S4は、音声翻訳の「S Translator」、健康管理の「S Health」といった機能を搭載。Xperia Zはこれらの機能は非搭載となるため、はなして翻訳、WM(わたしムーヴ)といったドコモサービスなど(海外にも同様のサービスがある)を利用する必要がある。

日本語を含めた多言語に対応したS Translator

S Healthは、対応体重計なども用意される

さらにGALAXY S4では、複数の人と同時にビデオチャットができる「ChatOn」、再生した曲や写真などのメディアをネットワーク内の端末で共有する「Group Play」といったコミニュニケーション系のアプリ・サービスも利用することができる。

ChatOnにはDual Video Call機能搭載

複数端末でコンテンツを共有するGroup Play

筆者としては、Xperia Zはメディア関連の機能に注力。GALAXY S4は全方位に向けている、といった印象。GALAXY S4は、Googleのサービスの代替にもなるような機能を盛り込んできているのも注目だ。単なる端末メーカーではなく、プラットフォーマーとしての位置づけを狙ってきているといった感じだ。Xperia Zは、プラットフォームというよりも、やはりコンテンツプロバイダーとしてのソニーの位置づけが強い。Music/Video Unlimited、Reader、PlayStation Mobileなどといったコンテンツの流通に加え、Exmor RSなどのカメラ機能による入力機器としてのカメラの機能も強化している。