もうひとつの見どころは、AFシステムに「インテリジェントハイブリッドAF」を採用したことだ。これは、コンパクトデジカメで一般的なコントラスト検出方式のAFに、撮像素子に組み込まれた位相差画素によって距離を測る位相差検出方式のAFを組み合わせたもの。この2方式がシーンや被写体に応じて自動で切り替わる。

具体的には、主に明るいシーンではスピード面に有利な位相差AFが、主に薄暗いシーンでは精度面に有利なコントラストAFがそれぞれ作動するようになっている。ユーザーが任意に方式を切り替えることはできない。AFモードについては「エリア選択/オートエリア/自動追尾」の3モードが用意される。このうち「エリア選択」を選んだ場合は、画面内の49点のAFエリアを自由に選択でき、AFエリアのサイズを3段階に切り替えることも可能だ。

試用では、ズーム域を問わず快適に作動するAF性能を実感できた。最短の撮影距離は、マクロモード使用時でズームのワイド側10cm、テレ側50cmに対応。スーパーマクロモード使用時にはワイド側固定で最短1cmの超接写が行える。

記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードに対応。電源はリチウムイオン充電池で、CIPA準拠のバッテリ寿命は約270枚

絞り値は背面のメインコマンドダイヤルで、シャッター速度はサブコマンドダイヤルでそれぞれ調整できる

快適なAF性能を実現する一方で、マニュアルフォーカス関連の機能も充実している。部分の拡大表示を見ながら手動でピント合わせができる「フォーカスチェック」機能のほか、コントラストの高い部分に色を付けて表示する「フォーカスピーキング」や、ピント位置と被写界深度の目安をバーで表示する「距離指標」が利用可能だ。いずれも実用性は高い。

ファインダーには、「アドバンスト光学ファインダー」を搭載する。これはマニュアルズーム操作に連動した実像式の光学ファインダーで、本モデルからの新しい仕掛けとして、ファインダー内部に薄型のデジタルトランス液晶を組み込んでいる。

この液晶には、絞りやシャッター速度のほか、撮影モード、露出補正、フォーカスエリア、合焦マークなどの情報が表示。これまで、多くのコンパクトデジカメの光学ファインダーではこうした撮影情報が表示されず、撮影中に不安を感じることが多かった。その弱点を解消した実用的なファインダーといっていい。また、ファインダーの横にアイセンサーを新搭載し、ファインダーと背面液晶の自動切り替えが可能になった点もありがたい。

天面の右端には「Fn」ボタンを装備。ISO感度などの好きな機能を割り当てることができる

OVF(光学ファインダー)とLCD(液晶モニター)は、アイセンサーによって自動で切り替えられる

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