通勤・通学や日中の外出に、楽々持ち運べるモバイルノートといえばUltrabook。登場から1年半ほどが経過し、バリエーションが豊富になってきたことで、今ではユーザーのニーズに合わせて、さまざまなサイズやデザインを選ぶことができるようになった。

しかし、携帯性を優先した製品のため、デスクトップPCやモバイル用以外のノートPCに比べると、機種ごとの性能の違いはそれほど大きくない。特に、PCでゲームを楽しむには必須となるグラフィックスは、多くの機種でCPU内蔵の機能を利用しているため、パフォーマンスにはおのずと限界が生じる。

このような現在のUltrabook市場において、比較的珍しい製品が、マウスコンピューター「LuvBook L」シリーズだ。Ultrabookとしては比較的大型の14型液晶ディスプレイを搭載し、ストレージの種類なども選択できるラインナップ構成となっている。今回はその中から、ハイエンドモデル「LB-L460S」(販売価格79,800円)の実機に触れ、高性能Ultrabookの実力に迫ってみよう。

「LuvBook L」シリーズのハイエンドモデル「LB-L460S」

ゆとりの14型大画面、そしてGeForce GT 640M搭載可能

LuvBook Lシリーズ自体は昨年末のレビュー記事でも紹介しているが、大まかにシリーズの特徴をおさらいしておこう。

薄型・軽量が特徴のモバイルノート・Ultrabookは、長らく11~13型クラスの製品が中心だったが、この「LuvBook L」シリーズは、14型(1366×768ドット・光沢タイプ)という比較的大きな液晶ディスプレイを搭載しているのが最大の特徴だ。このカテゴリの製品としては大型な筐体を採用したことで、携帯性では11~13型の機種に一歩譲る形となっているが、その分性能は充実している。

全モデルでメモリ8GBを標準搭載

そして、Ultrabookでは珍しい特徴として、外付けグラフィックスチップ搭載モデルである点が挙げられる。「LuvBook L」シリーズには2つのモデルが用意されており、CPUがCore i7-3517U(動作周波数1.90GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.00GHz)、グラフィックスはGeForce GT 640Mという豪華な構成。Ultrabookは各社から無数の機種が発売されているが、GeForce搭載の製品はまだまだ少ないため、薄型モバイルノートでもゲームを楽しみたい、というユーザーには有力な選択肢になるだろう。

ストレージはキャッシュ用SSD+HDDのツインドライブモデルか、大容量SSDのみ搭載のモデルかを選ぶことができる。動画データなどをたくさん持ち運びたいユーザーは、実用的なスピードと大容量を両立できるツインドライブモデルを、パフォーマンス第一のユーザーは、SSDモデルをそれぞれ選択可能だ。

今回紹介するLB-L460Sは、Core i7+GeForceおよび大容量SSD・1基という構成で、シリーズの中では最も上位に位置付けられているモデルだ。SSDに関してはBTOオプションでのカスタマイズが可能で、標準のSamsung 840 250GBのほか、同500GB、Samsung 840 Proの256/512GB、インテル520の240/480GBが用意されている。

ゆとりあるサイズを活かした使い勝手の良さ

本体サイズは折り畳み時344×240×21mmで、通勤・通学のカバンにもスルリと入る薄くフラットなボディを採用している。重量は約1.83kgで、1日中持ち歩く用途にはやや重いが、朝晩の行き帰りであれば十分対応可能といえるだろう。また、Ultrabookの主流よりも一回り大きい14型のディスプレイを搭載していることから、持ち歩きだけでなくリビングなどに置いて使う宅内用のマシンとしても活用できる。

天板は格子状のドットが見え隠れするシンプルなデザイン

拡張性に関しても有利な点が多い。USBポートは左側面にUSB 3.0×1基、右側面にUSB 2.0×2基の計3ポート搭載しており、11~13型Ultrabookの多くが合計2ポートにとどまっているのに対し+1ポートのアドバンテージがある。USB 3.0はACアダプターを接続している間、常時給電されるタイプなので、携帯電話などの充電にも活用できる。

ディスプレイ出力はアナログRGBとHDMIの2系統を、変換アダプターなどを介さずそのまま使用できるので、出先でプロジェクターを使ってプレゼンテーションを行うときも準備に手間取ることがない。また、最近のモバイルノートでは省略されることも少なくない有線LANポートも、標準の形状で本体に用意されているので、出張先のホテルの部屋に有線LANポートしかない場合でも困ることがない。

左側面にはアナログRGB、有線LAN、HDMI出力、USB 3.0ポートを搭載 右側面はヘッドフォン/マイクのコンボ端子とUSB 2.0×2ポート

そのほか、本体底面には内部にアクセスするための保守用の窓が設けられているのが確認できた。パーツの交換はメーカー保証外となるので、これはあくまで参考情報だが、知識のあるユーザーならストレージデバイスにも直接触れることができることは、知っておいて損はないだろう。

底面のカバーを開けると、SSD、メモリ、Wi-Fiモジュールが見える。SSDの横にはmSATAの空きスロットも確認できる