IMEのキーレイアウトを変更する

最後に日本語入力環境でもっとも重要なIME(Input Method Editor:インプットメソッドエディター)に関するカスタマイズを行う。Surface RTの発表会で関係者と話題になったのが、Windows RTにおけるIMEだ。改めて述べるまでもなくWindows RTはx86/x64向けに開発されたWin32/Win64アプリケーションは動作しないため、Windows RT向けIMEがリリースされていない現状では、標準添付するMicrosoft IMEしか選択肢がない。

各位がSurface RTのネックとして挙げたのが、好みのIMEを選択できないという点である。筆者のようにATOKにこだわる方もいれば、Google IMEで十分という方、そもそも標準のMicrosoft IMEでもよい、という方もいた。確かに特定のIMEにこだわるのは自身の選択肢を狭めるものであり、IMEは辞書変換の効率性や誤変換のリカバリー、そして指が慣れたキーアサインであれば、どうにでもなる存在である。そもそもMicrosoft IMEは、いくつかのキーアサインがプリセットとして用意されているので、筆者のようにATOK系キーアサインが指になじむという方は下記の手順でキーアサインを変更しておこう(図25~29)。

図25 「PC設定」の「全般」にある「言語設定」をタップ。もしくはコントロールパネルの「言語」をタップする

図26 言語が起動したら、普段使用している言語(日本語)の「オプション」をタップする

図27 これで言語のオプションが開く。「入力方式」セクションにある「Microsoft IME」の「オプション」をタップする

図28 Microsoft IMEの設定ダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをタップする

図29 <全般>タブの「編集操作」セクションにある「キー設定」のドロップダウンリストから「ATOK」など好みのIME用キーアサインを選択して<OK>ボタンをタップする。後は<OK>ボタンや<保存>ボタンをタップして各ダイアログやウィンドウを閉じれば設定完了だ

図29をご覧になると「Microsoft IME」「IME Standard」の他に「ATOK」「VJE」「WX」などが並んでいる。さすがにVJEは筆者もMS-DOS時代に愛用していたが、開発会社であるバックスは休眠化し、VJE関連の権利はYahoo! JAPANに譲渡された。またエー・アイ・ソフトが開発していた「WX」も2006年11月にエプソン販売に吸収合併され解散している。さすがに現在も使用しているユーザーはごく少数だろうが、このように昔ながらのIMEキーレイアウトも選択できるので、Surface RTで文書作成を行う際は事前にチェックしておこう。いずれにせよジャストシステムには、ATOK for Windows RTのリリースを伏してお願いしたい。

さて、そろそろ誌面も尽きてきたので、初回のカスタマイズはこの程度にし、引き続き次回もSurface RTの利便性を向上させるようなカスタマイズをいくつか紹介する。Surface RTのOSであるWindows RTは、Windows 8ファミリーに含まれるため、レジストリや設定項目を用いたカスタマイズテクニックは大半が利用可能だ。お手元にSurface RTがある方は各種設定項目やレジストリエントリを確認し、より使いやすい環境を目指していただきたい。

阿久津良和(Cactus