レグザや同社のレコーダーを、より便利に使うためのアプリが「レグザAppsコネクト」だ。番組情報を表示したり、一部の端末で録画番組や放送中の番組を視聴したりと、目的はさまざまなのだが、現在公開されているアプリの数は14。東芝の「アプリ一覧」のページを見ても、同じような機能のものもあるし、どれを使えばよいのか、その前に、どれが使えるのか……始めての人は戸惑うはずだ。というのも、この一覧にはレグザタブレット、dynabookといった同社製品専用のものも含まれているからだ。
さらに、個々のアプリのネーミングが分かりにくいという問題が、それに拍車をかけている。スマートフォンで、レグザや同社のレコーダーを操作したり、シーン単位での頭出し情報(タグリスト)の作成と共有を行うアプリの名前は「RZタグラー」だ。いわばスマートフォンでのレグザ全体の総合的な操作環境だ。それこそ、"RZコマンダー"といった名前でリリースすればよいのにとも思うのだが、それは既に存在している。RZタグラーからタグリスト関連の機能を削除したiOS用のアプリが"RZコマンダー"だ。
RZタグラーを使用することで、DBR-M190単体ではできない、番組内でのシーン単位での頭出しが可能になる。また、公開されているタグリストを使用することで、タイムシフトマシン内から、好みのシーンをダイレクトで再生することも可能だ。
スマートフォンでの操作は、レスポンスもよく快適だ。ただし、タグリストが公開されている番組には偏りが多く、ある番組では多くのタグリストが公開されている一方、全くタグリストが公開されていない番組も多い。また、公開されているタグリストも、機械で自動的に付けられたタグ(タグbot)の場合もあり、実際の内容に則していないものも見受けられる。自分でタグリストを作る方は、異なった見方になるかもしれない。しかし、タイムシフトマシン内に蓄積された番組から、自分の好みの番組、あるいはシーンを見つけようという用途には、将来的な可能性までは否定できないが、現時点では内容的に不足気味だ。
完璧なライブラリーを作りたいユーザーには現時点でも唯一の選択肢
DBR-M190は、何を目的にどう付き合うのかによって、まったく評価が異なる製品だといえるだろう。
特定の番組を録画したい、何らかの突発事件が起こってタイムテーブルに変更があろうが、とにかく確実に録画したいというユーザーにとっては、タイムシフトマシン内の検索性といったことは、大きな問題にはならない。タイムシフトマシン領域にDRモードで録画できることのほうが、大きなメリットになるだろう。
一方、特定の番組というよりも、何か自分にとって面白い番組を見たい、そういった番組を見逃したくないというユーザーにとっては、DBR-M190は少し難しい製品だ。DBR-M190では、とにかく大量の番組が録画されていく。そのうちの多くは、まったく見ないまま消去されてしまうことになるのだが、その消去された番組のなかには、もしかしたら自分にとって興味深い内容のものが隠れているのかもしれない。しかし、現状では、それを、時間をかけずに探すのは難しい。もっとも、これはすべての"全録"レコーダーが抱える大きな問題点でもある。
次回は、この問題に正面から取り組んだ、タイムシフトマシン搭載テレビ「レグザZ7」シリーズのレビューを行いたいと思う。