Core i7にGeForce GTX670MX、そしてSSDも搭載

一体型PCでありながらゲーマー向けブランドの製品だけあって、高性能なパーツを搭載しているのも特徴だ。最小構成のモデルを含むシリーズ全製品で、CPUはクアッドコア版のCore i7を採用しており、今回試用したNEXTGEAR-ONE io600SA2ではCore i7-3630QM(動作周波数2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)を搭載。また、BTOオプションとしてCore i7-3740QM(同2.70GHz、3.70GHz)、Core i7-3840QM(同2.80GHz、3.80GHz)も用意されており、ゲームはもちろん、動画エンコードやデジタルカメラで撮影した大量のRAWデータの編集といった用途にも対応できる。

グラフィックスチップは、前述の通りNVIDIAのGeForce GTX 670MXを搭載。名前のよく似たGPUにGeForce GTX 670Mがあるが、これは"Fermi"のコードネームで呼ばれる従来アーキテクチャを採用した製品だったのに対し、今回のGTX 670MXは現行世代の"Kepler"アーキテクチャに刷新されており、消費電力あたりの性能が大幅に向上している。また、負荷に応じてCPU内蔵グラフィックスとGeForceのどちらを有効にするかを自動的に切り替える、Optimusテクノロジに対応しており、高性能と省電力・低発熱を両立している。

Optimusテクノロジの動作は、タスクトレイから確認することもできる

ストレージはSSD+HDDの同時搭載に対応。NEXTGEAR-ONE io600SA2では、標準でSamsung 840 SSD 120GBと、HDDに1TBのツインドライブ構成となっている。選択可能なSSDにはSamsung 840、Samsung 840 Pro、インテル520が用意されており、ドライブの構成もHDDのみ、SSD+HDD、SSD+SSDの3パターンから選ぶことができる。

光学ドライブは右側面に搭載されており、標準のDVDスーパーマルチドライブのほか、オプションでブルーレイコンボドライブ(ブルーレイは読み込みのみ)、ブルーレイディスクドライブ(ブルーレイ書き込み対応)が選択可能。メモリはノートPCと同じSO-DIMMモジュールで、標準の16GB(8GB×2)のほか、オプションの32GB(8GB×4)の構成が用意されている。

一体型PCとしては最強クラスの性能

それでは、実際のパフォーマンスを確かめてみよう。まずWindowsエクスペリエンスインデックスの値だが、CPUとメモリが7.8、ハードディスク(SSD)が7.9と非常に高い値となっており、ゲーム用グラフィックスも6.8と充実している。デスクトップグラフィックスのみ4.9と、やや奮わない結果となっていたが、次のゲームベンチマークを見るとわかる通り、実際にはオンボードグラフィックスとしては十分な性能が得られている。

ハイパフォーマンスが証明された、Windowsエクスペリエンスインデックスの値

ゲームタイトルや3Dmark Vantageなどを利用した個別のペンチマークテストを見ると、性能的にはGeForce GTX 650を搭載するデスクトップPCをやや上回る水準にあることが確認できた。1280×720程度の解像度であれば、新しいゲームでも快適なプレイが可能で、タイトルによってはフルHD解像度でも十分実用的なパフォーマンスが得られるレベルの性能といえるだろう。

3Dmark Vantageの結果
BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
1280×720 110.7fps
1920×1080 84.0fps
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11)
1280×720 50.7fps
1920×1080 35.8fps
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク
Low 4420
High 2682
3DMark Vantage 1.1.0 Performanceプリセット
3Dmarks P14214
GPU SCORE 12674
CPU SCORE 22371
3DMark Vantage 1.1.0 GPU SCORE
1280×720 17355
1920×1080 8564
CINEBENCH R10 64bit
Single CPU 6032(2分26秒)
Multiple CPU 22032(0分40秒)

また、SSDのパフォーマンスも確認してみたが、シーケンシャルリードで500MB/秒以上、4Kランダムリードでも25MB/秒以上のスピードが出ており、OSの起動、ゲームのローディングといった大量のファイルにアクセスするシーンや、日常的なWindowsの動作においても、快適な操作感が得られる。

CrystalDiskMarkで確認したSSDのパフォーマンスも上々だ

カタログ表記で目立つCPUだけでなく、グラフィックス、ストレージについてもハイスペックなパーツを搭載している一体型PCは希有であり、「NEXTGEAR-ONE」シリーズはディスプレイ一体型PCとしては、最強クラスの製品といって差し支えないだろう。さらに、画面サイズも27型と最大クラスだ。

Windowsストアアプリとして提供されるゲームも、今後徐々に増加していくことは間違いなく、Windows 8の環境でさまざまなゲームを快適に楽しみたいというユーザーには、ハイスペックタッチPCという製品は興味深いカテゴリだ。今後この新しい市場がどのように広がっていくか注目していきたい。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 NEXTGEAR-ONE io600SA2
ディスプレイ 27型フルHD液晶(1920×1080)
CPU インテル Core i7-3630QM
メモリ 16GB PC3-12800 DDR3 SO-DIMM
SSD Samsung 840 120GB
HDD 1TB SerialATAIII
チップセット インテル HM77 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 670MX
OS Windows 8 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×4(左側面×2、背面×2)、USB 2.0×2(背面×2)
サイズ W670×D65×H510mm(突起部、スタンドを除く)
価格 169,890円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2013/3/15(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

マウスコンピューター/G-Tune