昨年秋に登場したWindows 8では、タッチ操作向けの新ユーザーインタフェースが目玉の一つとなっている。また、スマートフォンやタブレットなど、タッチスクリーンで操作する情報機器も、ここ数年ですっかり身近な存在になった。このような背景から、最近はタッチ操作に対応したPCにも注目が集まっている。

タッチ操作に対応する場合、タッチパネル搭載のディスプレイが新たに必要となることから、デスクトップPCでは本体・ディスプレイ一体型の製品が主流となっている。しかし、高性能PCを求めるパワーユーザーにとって問題となるのはスペックだ。

一体型PCでは、CPUこそCore i5やCore i7など高性能なものを搭載しているものの、グラフィックスについてはCPU内蔵機能を利用しているか、廉価なチップを用いているものが多い。また、タワー型のケースを採用するPCとは異なり、拡張スロットが用意されていないので、ユーザーが自分でグラフィックスカードを追加することもできない。このため、3Dグラフィックスを多用したゲームを快適にプレイすることが難しい。

これに対して、マウスコンピューターのゲーマー向けブランド・G-Tuneから登場したのが、一体型PC「NEXTGEAR-ONE」シリーズだ。スマートなディスプレイ一体型ボディでありながらGeForce GTX 670MXを搭載し、デスクトップPCにも負けないグラフィックス性能を実現したという。今回はその中から「NEXTGEAR-ONE io600SA2」(販売価格169,890円)に実際に触れ、使い勝手とパフォーマンスを確かめてみたい。

マウスコンピューターのゲーマー向けブランド・G-Tuneから登場した一体型PC「NEXTGEAR-ONE io600SA2」

タッチ画面は広大な27型

本体を一目見て、まず驚かされるのは画面の大きさだ。現在市販されているディスプレイ一体型PC、とりわけタッチパネル搭載モデルでは20~24型程度の製品がほとんどだが、「NEXTGEAR-ONE」シリーズでは、中型の液晶テレビと比べても遜色のない27型(1920×1080ドット)の大画面を搭載している。これだけの広い画面をタッチ操作で操れるPCは、業務用の高価なタッチスクリーン搭載製品を除けばほとんどない。

タッチパネルはスマートフォンなどと同じ静電容量式を採用しており、最大10点までのマルチタッチ操作を認識できる。両手のすべての指を同時に使うような操作もサポートしているので、どんなタッチ操作用アプリにも対応できる。もちろんWindows 8の標準操作にも対応しており、画面右端から内側へ向けて指を滑らせると、Windowsボタンなどを含むメニューの「チャーム」が現れるほか、同様に左端から滑らせると起動中のアプリの切り替えが行える。

最大10点のマルチタッチ認識に対応し、拡大縮小などもタッチ操作でスムーズに行える

また、この大型ディスプレイをPCだけでなく、ほかの用途にも活用できるよう、背面にはHDMI入力端子を搭載している。ここにゲーム機やスマートフォン、ビデオカメラなどを接続すれば、それらの機器の表示内容を大きな画面で見ることができる。HDMI入力機能はPCとは独立しているので、PCを起動中でも本体側面のボタンを操作することで、いつでも外部機器の画面に切り替えられる。

背面に搭載されたHDMI入力端子。HDMI入力機能はPCとは独立している
入出力ポートは基本的に背面に搭載されるが(左)、よく使う一部のポートは左側面に搭載(右)

そのほか、余裕のある本体サイズを活かして、前面にはステレオスピーカーを内蔵している。さらに、ディスプレイ上部には200万画素のWebカメラも搭載。端子類は背面にまとめられているが、装着・取り外しが頻繁に発生するUSB 3.0×2ポートとカードリーダー(SD/メモリースティック対応)は、本体の後ろにまで手を伸ばさなくて済むよう、左側面に用意されている。

ディスプレイ上部には200万画素のWebカメラを搭載している 前面の左右に2つのスピーカーを内蔵し、ステレオ感のあるゲームサウンドを楽しめる