新搭載されたレンズシフト方式の光学式手ブレ補正機構に加え、EXILIMの高速連写合成を利用した「HS手ブレ補正」という二段構えの手ブレ補正機構が、合計でシャッタースピード5段分の手ブレ補正効果を発揮する。なお、光学式手ブレ補正はメニュー画面でオン/オフを切り替えられ、効果の強度も「弱」「標準」「強」から選択可能。「強」ではISO感度も引き上げることで、被写体ブレも抑えることができる。

そこでさっそく、新搭載の光学式手ブレ補正機構の効果を試してみた。光学式手ブレ補正をオフにした状態と、オンにした状態を撮り比べてみると…。

18倍ズームで手ブレ補正オフ(左)と手ブレ補正オン(右)で撮影した画像の比較。ご覧の通り、晴天下では、その差がほとんど分からない(オリジナル画像を見る。「写真左」「写真右」)

36倍プレミアムズームで撮影した手ブレ補正オフ(左)と手ブレ補正オン(右)での比較。手ブレ補正オフではISO 200なのに対し、オンの画像はISO 500である(オリジナル画像を見る。「写真左」「写真右」)

ご覧の通り、日中ではほとんどその差が分からないではないか。

……と判断するのは実に早計だ。

手ブレ補正の効果は撮影画像だけでなく、撮影中にも大きく影響する。光学式手ブレ補正は、液晶モニターで被写体を追っている最中も効いている。つまり、オンにした状態だと画面の細かな揺らぎが格段に抑えられ、圧倒的にフレーミングしやすいのだ。

AFが決まるまでの時間も、手ブレ補正オンのほうが明らかに速い。上の写真も見た目こそ変化に乏しいが、実は手ブレ補正オフ時のほうがシャッターを切るまでの時間が長かった。光学式手ブレ補正は、撮影画像のブレを止めるだけでなく、シャッターチャンスを逃さないための有効な手立てとも言えるのだ。

そして、光量が低下した状態だと、圧倒的な差となって表れる。手ブレ補正がオフの状態ではフォーカスが合わなかったり、完全に手ブレしてしまう状態でも、オンで撮影したものはピタリと止まってくれる。3月から5月くらいは、お子さまの卒業式や入学式、発表会など、室内イベントが目白押しの季節。これらの場でも、ZR700の光学18倍ズームと強力な手ブレ補正機能が強い味方となってくれるはずだ。

夕刻になって光量が乏しくなってくると、手ブレ補正の効果が大きく見えてくる。広角端で撮るとこんな状況(オリジナル画像を見る)

18倍ズームにおいて、手ブレ補正オフ(写真左)と手ブレ補正オン(写真右)で撮影した画像の比較。霞がかかっているため、そもそもはっきりとした輪郭は出にくいのだが、そんな状況下でもオンであればピントが合う。オフでは、ついに最後まで合焦サインが出なかった(オリジナル画像を見る。「写真左」「写真右」)

さらに暗い状態で挑戦。こちらも18倍ズーム、手ブレ補正オフ(左)と手ブレ補正オン(右)で撮影。オンではすぐにピントが合い、しっかりと撮影できたが、オフではこのブレっぷり。いやはや、手ブレ補正機構、恐るべし!(オリジナル画像を見る。「写真左」「写真右」)

手ブレ補正は「強」「標準」「切」の3段階から選択可能。「強」では感度が上がるので、被写体ブレにも効果がある

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