各基地局では、設営後に運用対策室へ電波発射の依頼を行う。運用対策室から電波発射の通知を受けると、隊員が二人一組になって音声通話およびデータ通信を行い、電波が正しく発射されているか確認するという段取りだった。

基地局の設営後、音声通話およびデータ通信が行えるか確認する(写真右)

この日の訓練では、東京臨海広域防災公園において通信断が長期化すると見込み、可搬型基地局を設営すると決定。東京臨海広域防災公園への設営が完了していた車載型基地局は、台場区民センターへ移動することとなった。

運用対策室の号令のもと、東京臨海広域防災公園には可搬型基地局を設営することになった

全国に27台を配備している可搬型基地局。乗用車のタイヤで踏むことで、アンテナの土台を固定する仕様となっている

東京臨海広域防災公園への可搬型基地局の設営、および台場区民センターへの車載型基地局の設営が終わると、模擬訓練が終了した。訓練の総評で、難波氏は「日頃の成果が発揮できた」と述べる一方で、安全確認をさらに大きな声で行なう必要があると注文。「災害時に素早く現場に駆けつけ、一刻も早くお客さまの通信を確保するというのが我々の最大の使命。皆で技術を磨き、向上させていきましょう」と総括した。

難波氏は日頃の成果が発揮できたと総括するとともに、今後のさらなる技術の向上を求めた