KDDIは3月8日、そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)にて、首都圏直下型地震を想定した模擬訓練を実施した。同訓練ではヘリコプターによる復旧要員の現地搬送、および車載型基地局・可搬型基地局の設営から運用開始までを行った。そなエリア東京は、首都圏直下型地震などの大規模災害が発生した際に、首都圏広域防災拠点として使用される場所として指定されている。

訓練中の様子。ヘリコプターによる復旧要員の現地搬送、基地局の設営から運用開始までを行った

今回の訓練の前提条件は、「3月8日12時30分に東京湾北部を震源地とする首都圏直下型地震が発生、東京23区を中心に多くの地域で震度7の揺れを観測。通信各社は、基地局を中心に広範囲に被害がおよび、携帯電話通信が利用できない。早急な通信確保が必要な状況。KDDIは政府、東京都から有明 東京臨海広域防災公園、練馬区役所、品川区役所に対する通信確保要請を受けている」というものだった。

訓練は、KDDI 技術統括本部 運用本部 副本部長の難波一孝氏(写真左)がヘリコプターの出動要請を行うところから開始された

運用本部の難波氏がヘリコプターを要請すると、上空から復旧要員を乗せたヘリコプターが飛来。復旧要員が先発隊となり、現地で復旧の足がかりをつくった。次に、車載型基地局が東京臨海広域防災公園、練馬区役所、品川区役所に到着し、各地で基地局の設営を進めた。

都内の3カ所に、全国から出動したTC(テクニカル)チームが到着。車載型基地局の設営を進めていく

車載型基地局では車体を固定し(写真左)、強風にアンテナがあおられないよう風速計で風の強さを計測しながら設営が進められる(写真右)

アンテナは最大で12mまで伸ばすことができるという

各基地局には携帯電話の充電が行えるコーナーも設置された。キャリアに関係なく利用できるという