ここまで大きな特徴を大まかに紹介しましたが、新しいOfficeには本当にたくさんの機能が盛り込まれています。ですがなかには、これまでのOfficeで十分だと考えている人も多いでしょう。新しいOfficeの導入には金銭的なコストもかかりますので、確かに万人向けというわけではありません。ですが、新しいOfficeを導入したほうがいい場合も多々あります。そこで、新しいOfficeを導入するべきケースを紹介します。

Office 2003ユーザー

Office 2003のサポート期間は、2014年4月8日(米国時間)に終了します。以降は更新プログラムが提供されないため、新たに発見された脆弱性に対応できません。万が一に備え、Officeを更新しておいたほうが安全です。新しいOfficeではなくOffice 2007やOffice 2010を導入するという手もありますが、Office 2007のサポート期間は2017年4月11日までとあまり長くないため、長期間利用するなら新しいOfficeにしておいたほうがいいでしょう。

Office 2003のサポート期間は来年2014年に終了します。長く使い続けるなら、新しいOfficeを導入するのがおすすめです

仕事でOffice文書をやり取りする機会が多い人

新しいOfficeの文書ファイルは、Office 2007やOffice 2010と拡張子が同じ「○○○x」のXMLベースファイル形式です。Wordなら「docx」ファイル、Excelなら「xlsx」ファイル、PowerPointなら「pptx」ファイルで保存します。互換性があるのでそれぞれのバージョンで文書を開くことはできますが、文書中で新機能を使っていると正しく表示されない場合もあります。

こちらから相手に文書を渡す場合なら97-2003形式で保存したり互換性に問題のある機能を使わなければいいのですが、相手から文書を受け取る場合にトラブルが発生するかもしれません。特に、あまりパソコンに詳しくない人がマシンを新調したりすると、確実に新しいOfficeで作成した文書を渡されるでしょう。取引先との関係にもよりますが、問題を確実に回避するために新しいOfficeを導入しておいたほうが吉です。

新しいOffice固有の機能を使っていると、Office 2007やOffice 2010でも互換性に問題のある場合があります

見栄えのいい文書を手軽に作りたい人

基本的な文書作成機能は、Office 2003の時点ですでに完成されていると言っても過言ではありません。Office 2007以降はおそらく、文書作成の簡易化/効率化が重要視されているのでしょう。特に近年は、見栄えのいい文書を手軽に作るための機能が充実してきています。

新しいOfficeでもリッチな文書を簡単に作れる機能が追加されました。たとえばExcel 2007やExcel 2010で2軸のグラフを作るにはちょっとした手間が必要でしたが、Excel 2013では「おすすめグラフ」機能を利用することでほとんど手間なくわかりやすいグラフを作成できます。

各セルのデータの種類を判別し、最適なグラフを提案するExcel 2013の「おすすめグラフ」機能

このように、新しいOfficeを使えば手の込んだ文書をとても簡単に作れます。複雑な手順を覚える必要はありません。これまでOfficeをあまり使ったことがない初心者や、文書作成時間を短縮したい人にはピッタリだと言えるでしょう。