WiMAXと公衆無線LANをシームレスに切り替え可能

ここからは、AtermWM3800Rで利用可能なそのほかの便利機能を紹介しよう。1つは公衆無線LAN機能だ。地下鉄や空港などWiMAXの電波が届かなくても公衆無線LANが利用可能なエリアであれば、回線を自動的に切り替えて利用可能だ。あらかじめ接続に必要なIDやパスワードを設定しておけば、エリアを行き来するだけで自動的に利用電波が切り替わる。移動しながらネットにアクセスする人にはもってこい機能だ。デフォルトではWiMAXを優先的に使う設定だが、公衆無線LANを優先させることもできる。

対応する公衆無線LANサービスは、「UQ Wi-Fi」、「livedoor Wireless」、「BBモバイルポイント」、「ホットスポット」など。AtermWM3600Rでも公衆無線LANサービスには対応していたが、AtermWM3800Rでは新たに「ワイヤレスゲート」と「ケーブルTV Wi-Fi」をサポートした。

公衆無線LAN自動切り替え機能を利用する際は、Web設定ツールから機能を有効にした上で、利用するサービスを登録する。複数のサービスを登録する場合は、それぞれの優先度を設定可能だ。

Web設定ツールから「公衆無線LAN設定」-「基本設定」と開き、「公衆無線LAN機能」の「使用する」にチェックを入れる。WiMAXと公衆無線LANの優先順位も設定可能だ

「接続先登録」をクリックして、利用する公衆無線LANサービスを選択。必要に応じて、接続用のIDやパスワードを設定すればOKだ

専用クレードルを使えば自宅でも活躍

AtermWM3800Rには、別売の専用クレードルが用意されている。実売価格は3,000円前後だ。専用クレードルは10BASE-T/100BASE-TX対応の有線LANポート×1基を備えており、AtermWM3800Rを自宅内の有線/無線LANルータとしても使えるようになる(付属するACアダプタでAtermWM3800Rの充電も可能)。自宅にWiMAXとは別のインターネット回線(ADSLやFTTHなど)を引いている場合は、AtermWM3800Rを単なる無線LANアクセスポイントとして利用することもできる。

オプションとして用意されている専用クレードル「PA-WM08C」。クレードルの背面にはアクセスポイント/ルータのモード切替スイッチや100BASE-TX対応有線LAN端子、micro USB端子が配置されている(写真右)

いろいろなスタイルにマッチする万能の使いやすさ

AtermWM3800Rの最大の魅力は、初心者でもヘビーユーザーでもストレスなく利用できる「使いやすさ」にある。軽量&コンパクトで持ち歩きやすい上に、バッテリ性能も高い。端末状況やメニューは有機ELディスプレイに文字やアイコンで表示されるので、操作性も良い。さらにリモート操作や充電機能など、スマートフォンやタブレットとの相性もバッチリだ。

純粋なバッテリ性能は前モデルよりパワーダウンしたものの、使い勝手が大きく向上していることを考えれば、納得できる範囲である。初めてWiMAXを利用する人はもちろん、すでにWiMAXをヘビーに使っている人にとっても検討に値する1台だろう。

AtermWM3800R単体での店頭価格は18,000円程度(2013年3月上旬時点)だが、直販サイト「UQオンラインショップ」で1年間の継続契約「UQ Flat年間パスポート」(月額3,800円)と同時に申し込むことで、本体を4,800円(クレードルセットは6,800円)で購入可能だ。自分の行動範囲とWiMAXのカバーエリアは関係してくるが、外出先で快適にネットを楽しみたい人に、ぜひおすすめしたい。