一方、米国の地図を見ると、日本ほどは事態が深刻でない様子がうかがえる。地名などデータの精度は地元住民でなければわからないにせよ、日本では未導入の機能があることは確かだ。信頼の回復が最優先とはいえ、それらの新機能が早い時期に日本にも導入されることを期待したい。
* Flyover
マップ上を3Dビューで眺めることができる、iOS 6版「マップ」の新機能。2011年に買収したC3 Technologies社の3Dマッピング技術をベースにしていると推測され、上空を飛んでいるかのように都市を鳥瞰することができる。2013年3月現在、日本に対応する都市はないものの、ニューヨークやロサンゼルス、Apple本社周辺(クパチーノ)など、世界の十数都市に対応していることが確認されている。
* 交通情報
オプション画面で「交通情報を表示」を有効にすると、アメリカやカナダなど一部の国・地域では、交通標識や混雑を示す点線が現れる。しかし、日本では交通情報に未対応のため、同機能を有効にしても主要幹線道路に変化は見られない。
* ビジネスレビュー&写真
米国や欧米諸国では、商業施設についてもYelpのレビュー機能と連携している。Siriのサービス内容を見てみると、レストランなど日本のローカル情報はYahoo! JAPANの各種サービスと提携しているため、欧米そのままの形になるとは考えにくいが、いずれ同等の機能が追加される可能性はある。
あと一息でもっと便利になる「Siri」
クラウド上に実装された音声認識エンジンにより、高い認識精度を実現するアシスタント機能「Siri」。日本ではiOS 5.1で登場して以降、アラームの設定やメモ、リマインダーなどの登録に活用されている。気の利いた会話も楽しめるなど遊び心もあることから、すでにiOSになくてはならない機能として定着した感がある。
しかし、現在利用できる機能がSiriのすべてではない。日本では未導入のサービスがいくつかあり、その時期も示されていないのだ。映画の上映スケジュールやレストランの評価など、今後もAppleが直接関与するとは思えない情報が必要なだけに、システム調整に時間がかかりそうだが、早い時期に導入されることを期待しよう。