文書校正ツールの重要性とは
我々が社会生活を送る上で欠かせないのが文書作成である。業種や役割によって異なるが、仕事からプライベートまで文書を書くシーンは常に存在し、最近ではTwitterに代表されるミニブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で情報発信する際にも、文書作成能力を求められるのは改めて述べるまでもない。だが、文書作成能力は一朝一夕で身につくものではなく、日常会話で用いられる「口語」と文書作成時に用いる「文語」の切り分けも難しい。また、自分の意図とは異なる文字を使ってしまう「誤字」が文書に混じることもしばしば起こる。
そのため社会に流通する新聞や書籍、雑誌といった印刷出版物の制作には、文書に誤字や誤用が混じっていないか最終チェックを行う「校正」という工程作業が含まれるのが一般的だ。もっとも最近は編集者や著者が校正作業を代行する場合もあり、本誌のようなWeb媒体も校正者を通しているという話はあまり耳にしない。だが印刷出版物とは不思議なもので、どれだけ精密に校正を行っても誤字脱字を見落としてしまう。
このように筆者など足元にも及ばないプロフェッショナルの著者や記者でも、正しい文書を書くことは難しく、一般的な出版物では校正作業が重要な工程に数えられるのだ。それでは、完成度の高い文書作成を専門ではないユーザーが行うにはどうすればよいか。ここで脚光を浴びるのがコンピューターの校正支援ツールである。
そもそも文書の正誤を判別するような作業は、コンピューター向きだ。登場回数が多いパターンや正誤情報を持たせることで、文書や単語を判断させれば、校正能力を持たないユーザーでもミスを簡単に確認できる。近年のワープロ(ワードプロセッサー)ソフトは、文書校正機能をあらかじめ備え、文書の完成度を高めることが可能ながらも惜しまれるのが機能の低さだ。同音語のチェックや助詞の用法、同一の文書内で異なる表記をチェックする"揺らぎ"などは訂正できるものの、すべての間違いを正すことはできない。だからこそ、校正機能に特化したアプリケーションが必要なのだ。
そこで試してほしいのが、ジャストシステムの「Just Right!5 Pro」。文書校正に特化したアプリケーションである。基本的には法人向けライセンス製品だが、個人向けパッケージも用意。価格は同社のオンラインショップであるJust MyShopで49,350円とかなり割高だが、本当に完成度の高い文書を作成したいユーザーには、それだけの価値があるだろう。基本的な機能は前バージョンである「Just Right!4」を踏襲しているので、筆者が寄稿した記事で概要をつかんで頂きたい。