記者説明会には、東急百貨店 常務執行役員の上根弘之氏が招かれ挨拶した。渋谷駅の大規模な再開発工事により、向こう数年間、東急百貨店では営業スペースを減少させなくてはいけない。「売り場面積はコンパクトになりますが、新しい試みを行う店舗として営業するショップもあります」と上根氏。この機会をチャンスとして捉え、新しい客層の取り込みに積極的に取り組む方針だ。その一環として、今回のショッぷらっとへの参加が位置付けられている。上根氏は「最近、来店者の多くがスマートフォンの利用者になりつつある」と話し、ショッぷらっとを「チラシやダイレクトメールなどに代わる新しいアプローチが実現できる、詳細なターゲティングができる、蓄積されたデータにより最適な商品の紹介ができる」と評価。サービスの開始に期待を寄せた。

登壇し挨拶する東急百貨店の上根氏(写真左)

東急百貨店ではショッぷらっとを通じて、新しい顧客獲得を目指すとしている

最後に、斎藤氏は「ドコモでは、FeliCaやおサイフケータイなどのインフラ、文化を世の中に広めてきたという自負がある。今回の音波チェックインを使った10m範囲の通信インフラにも新たな可能性を感じている」と語った。今後の展開として、NTTドコモでは「dマーケット」を中心にしたECストア分野への参入・リアル商材の取り扱いを行うとともに、O2O分野へも積極的に取り組み、その両輪で「統合的な情報蓄積、究極のパーソナライズ」を実現できる世界をつくっていく考えだという。

ドコモが今後目指すビジネスモデル(写真右)

モバイルを使って日々の生活を「より楽しく」、日本を豊かにする為に、お出かけが「わくわく」するようなサービスにしたい、と総括している

質疑応答

最後に質疑応答の時間がもうけられ、NTTドコモの斎藤氏が記者団の質問に回答した。ショッぷらっとの店舗側の負担について聞かれると、「タバコの箱くらいの大きさの、音波を発生する装置を設置する必要がある。トライアルサービスの終了後、店舗側には設置料などを払っていただく予定」とした。価格帯についてはインフラを拡大させたいドコモ側の意図もあり、小店舗でも手が出せる水準になるとのこと。本サービスでドコモが収益をあげる仕組みについて聞かれると、「ポイントは店舗側の負担となる。その上で、ドコモは店舗から一定額を納めていただく」仕組みであると回答した。

質疑応答に対応するドコモの斎藤氏

ドコモでは利用者に向けて、ショッぷらっとアプリをインストールし積極的に利用してもらうための施策をいくつか行う予定であるという。アプリは常駐させておくタイプのものではなく、例えば目的地に着いたら起動させる、などの利用方法を想定している。トライアル期間を長くもうけている理由については、「ドコモではドコモユーザー向けの施策は多く行ってきたが、キャリアフリーとなるアプリを本格的に提供する試みは、ほぼはじめてと言っていい。机上の議論は尽くしたが、試してみたいことが多くあり、この期間となった」と説明した。

会場では実際にデモを体験することができた

(記事提供: AndroWire編集部)