ETロボコンに参加して感じた成長
Q:ちなみに、スキルアップしたという実感はありますか?
中野:ありますね。
Q:2年目の方はどうですか? 堀江さんはどうです? チームをまとめられたから、出世コースに乗ったな、とか(笑)。
堀江:…(笑)
Q:前回もボーナスアップですよねって話をしたら、CS大会の結果が出た時には査定が終わってる、という残念な話でしたが(笑)、(2012年の)6月の査定はどうでした?
堀江:さてどうでしょうか(笑)。ボーナスはさておき、前回のチャンピオンシップ大会の総合優勝で社内表彰を受けました。
Q:2連覇したわけですから、3連覇目指して、現メンバーは引き続き2013年も参加するんだろうって話は出てきますよね?
仲本:ETロボコンに関わっていない人からは、「もう、いいんじゃない?」みたいないい方をされますね(笑)。
Q:それだけ実力があるのだから、仕事もやれるよね、というプラスの見方でもあるとは思うんですけどね。1年目のお二方はどうですか?
塚本:私の部署は、制御系設計をやっています。実際に車両に搭載した制御システムが失敗していると大変なことになるので、その点、ETロボコンは簡単に試せて結果をすぐに確認でき、とてもいい練習台になるんです。そういう意味でも、「ちょっと制御の練習をしてくるといいよ」といわれたのがきっかけで、チームに加わったんです。ですから、とてもいい経験になっています(画像15)。
Q:中野さんはどうですか?
中野:私の場合は、システムを車両ごとに適合させていくという部署なので、ソフトウェア開発部署のようにETロボコンで得られたものを直接活かせるというわけではないんです。しかし、ソフトウェアの開発知識だけではなく、問題を解決するプロセスなど、ETロボコンから学ぶことは多いので、きっと実務にも役立つと思っています。今回、私の部署からは初めての参加ということもあり、ETロボコンに参加すること自体、理解してもらうのが大変でした(笑)。
Q:優勝したから、次からは変わるんじゃないですかね。
中野:そうなってくれるといいですね。
Q:部署ごとにETロボコンに対する考え方が違うんですねぇ。でも、社内にはETロボコン経験者は結構いますよね?
斎藤:経験者は少なくないですね。ETロボコンの経験者のいいところは、エンジニアとしてのスタートダッシュがいいところなんですよ。組込み技術は大学とかではじっくりと習わないようですから、入社から何年かして活躍しているなって感じるエンジニアは、ETロボコンの経験者だったりすることが往々にしてあります。したがって、今回のメンバーもまだ実感はしてないと思うんですけど、何年かすると、「おっ」ということになると思います。そうなってくれると嬉しいです。社内的に見て、ETロボコン経験者は、結構がんばっている人が多いんですよ。
Q:ということで、皆さんは将来的にはエースエンジニアになれる可能性があると(笑)。
一同:(笑)
Q:でも実際問題、社内でも評価が変わってきているんじゃないですか?
堀江:ETロボコンで好成績を収めて社内表彰を受けていますので、社内での認知度も高くなっていると思います。
今:部署によって認知度の差があるかもしれません。
仲本:たしかに部署にもよりますね。私の場合、品質検査なので業務でプログラムを書くようなことはないんですが、ETロボコンに携わっていてプログラムが書けるということだけで、PCの達人と思われているようです。職場では「PCのことはすべて仲本に聞け!」みたいな状態なのですが、「そんなことまではわかりません!」ということまで聞かれたりします(笑)。
Q:それは、パソコンに詳しくない人たちの部署でプログラムができる人がいたら、PCの達人扱いされますよね。堀江さんはどうですか?
堀江:私の場合は、「ETロボコンでこの技術を使ったことない?」といったことは聞かれます。「こいつなら知ってそう」みたいな感じで話しかけられることが多くなりました。いろいろと勉強しているんだろう、経験しているんだろう、というように見られるのですが、残念なことに知らないことも多いんです(笑)。
Q:今さんはどうですか?
今:私は社内の開発プロセスなどを整備する部署に所属しているのですが、昨年のETロボコンで総合優勝した後に、現在の部署に誘われました。
Q:原島さんはいかがですか?
原島::私の部署はソフトウェアを開発するところなのですが、ETロボコン参加経験者がもっとも多い部署ですので関心度も高く、周りからの期待もあって少しプレッシャーを感じていました(笑)。
Q:そんなプレッシャーに耐えて、チームのメンバーと共に優勝を勝ち取ったわけですから、それは確実に原島さんを成長させているのではないでしょうか。話は変わりますが、優勝だけでもすごいのに、さすがに2連覇ともなると、宣伝効果もだいぶありますよね?
斎藤:確かにあります。実際に、彼らのようにETロボコンを学生時代に経験した優秀な学生がアドヴィックスだからこそ、と言って入社してきてくれますから、ETロボコンの波及効果はすごく大きいです。決して大きな会社ではありませんから、彼らのようなエンジニアの卵が望んで来てくれるのはとてもありがたいことですね。
Q:スポーツの名門実業団チームという感じになってきましたね。
堀江:東海地区大会に高校生のチームが参加していたんですけど、彼らから「アドヴィックスさんですよね」って声をかけられました。学生さんの中でもHELIOSとアドヴィックスがちゃんと結びついているみたいで、チームではなく会社として知ってもらっているんだな…と少々驚きました(笑)。
Q:すっかり有名人じゃないですか(笑)。学生チームといえば、今回も13チームと多かったのですが、数年前までその立場だった皆さんはどうですか?
堀江:学生のレベルは確実に上がっていると感じます。企業チームと同じ土俵で競うことがいい刺激になっているのかもしれません。今回は完走率こそ低かったのですがモデルとかを見ていると、学生に限らず全体的にレベルが上がってきていますね。たぶん、インターネットによる情報検索やTwitterによる情報発信など、情報技術の活用によって入手できる情報量が格段に増え、ETロボコンに取組む環境も良好になってきていることが大きいのではないでしょうか。また、有力チームとの交流を通して実力を磨いているチームも多いと聞いています。