――"AKB48と恋愛禁止"というのは避けて通れないテーマだと思います。篠田さんは本作で、「もし自分にすてきな人が現れたら、『その人は自分にとっては運命の人じゃないんだな』って思うようにします」とおっしゃっていましたね。つまり、今の自分が恋愛できないからその人は運命ではないと。

AKBに恋愛禁止というルールがなかったとしても、自分の中では恋愛は禁止だったと思います。っていうくらいあまり恋愛に対して興味がないっていうか。自分がやりたいことに対して、恋愛っていうのはすごく難しいもので、それでダメになっちゃった周りの人を何人も見てきていますから。確かに不安になる時ももちろんありますし、この仕事がなくなった時に結婚して幸せになるというのを考えたこともありますけど、それが自分にとって幸せかと言われれば今は違うから。両方っていうのも無理ですし、グループに対して迷惑がかかることとなると、余計できないですね。

――もともと抱いていたことだったんですね。

そうですね。事務所に入る時は恋愛禁止と言われなかったですけど、恋愛に夢中になってる中で仕事も一生懸命に、はできないよねという話も事務所の人としていました。

――タレントという仕事は、そういうものかもしれませんね。

そうですね。やっぱり、人に見られる仕事ですから。普通だったら恋愛してて何が悪い?ってなりますけど、私たちはある意味、自分をさらしているし、批判される要素もある仕事だと、それを知った上でやっていますから。

――今回の映画のサブタイトルは「少女たちは涙の後に何を見る?」ですが、篠田さんは何を見ますか?

どうでしょうか。私、泣くときは、寂しい涙もありますけど…希望ですね(笑)。希望しかない。自分の誕生日に劇場で祝ってもらった時も泣きましたし、総選挙も泣いたかなぁ…。逆にすっきりして自分の新しい一歩を踏み出す気持ち? 涙って自分の中のデトックスみたいなもんで、出し切るのが一番かなぁと思います。

――ストレスの発散にもなりますしね。

そうですね。うれしい時もそうですけど、私泣きすぎるんですよ(笑)。家でもそうですけど、泣く時は異常なくらい泣くんです。叫ぶくらい。『マジすか学園』で、あっちゃんとのシーンですごい大泣きしたことがあるんですけど、みんながドン引きするくらい泣くんですよ。でもすごくすっきりするんです。それで、自分の今までのものをリセットしているようなところがありますね。

――その先に見据えているものは? “夢”をお聞かせください。

私自身の夢は、AKBに入る前はファッションデザイナーになりたくて、デザイン学校にも通っていました。AKBに入った時にちょっと遠回りかなって思ってたですけど、去年、自分のブランドを立ち上げることができたのはすごくうれしかったです。遠いと思っていたのが、実は近道だったんですね。この先に自分がやりたいことは自分のブランドを大きくして、みんなに愛されるブランドにできればいいなと思っています。最初は女優さんとかいろいろなお仕事をやらせていただいたんですけど、自分が見えてきたというか。今は自分のやりたいことをやれていることがすごく楽しいです。

――AKB48としての夢は?

先ほどの話にもありましたけど、エース的な存在がポンッと出てきてほしいし、それを引っ張っていって、AKBを今だけじゃないようにしたいですね。私だけじゃなくて大人数のメンバーがいますから、みんなが路頭に迷わないようにしないと(笑)。メンバーが夢を叶えていけるような、そんなグループにしていきたいと思います。なんて言うか…みんなを育てるって言ったらすごく偉そうなんですけど、引っ張っていくのも、自分の中ではすごく大事なことなんです。

(C)2013「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会