―― EX-wordシリーズには色々なモデル、例えば、高校生、中学生、小学生モデルなどがあります。電子辞書に対して、学校の先生や保護者の理解は進んでいるのでしょうか。
上田氏「高校生向けのモデルは既に10年以上展開していることもあり、多くの先生にご理解いただいています。電子辞書のメリットとして、持ち運びやすい、検索スピードが早い、1回の入力で複数の内蔵辞書から調べられるといった点を評価いただいているようです。
保護者の方は、お子さんに"いいものを与えたい"と考える方が本当に多くて、その点でEX-wordシリーズは高い評価をいただいています。また、収録コンテンツについては、出版社さんとも協力しながら開発しています」
―― 電子辞書が出てきた頃はモノクロ液晶で表示エリアが狭く、表示される情報量も少なかったですよね。紙の辞書を使い込んできた世代としては、電子辞書で調べたそのときはいいんですけど、やっぱり紙辞書でちゃんと引かないと覚えられないという先入観がありました。でも、XD-N8500やXD-N6500のようなカラーの大画面で情報量が豊富になると、もうそんなことはないかなと感じます。
佐藤氏「それが一番、当初から言われていたことなんです。初期の電子辞書はメモリが少なくて、なるべく語彙を増やそうとした結果、1つの単語の情報量が減ってしまいました。しかも中心的な語義しか載っていなくて、網羅性が低い、例文や成句も少ないなど、課題ばかりでしたね。
その辺りを充実させたら、今度は『前後の情報が見られないからダメ』。じゃあということで、リスト表示や調べた項目の履歴、表示されている解説文の中から別の単語を次々に引いていく機能などを追加していきました」
上田氏「高校生モデルを出したときは、学校の先生からのご意見も多く参考にさせていただきました。紙の辞書みたいな使い方を再現できるように、画面の中でラインやマーカーを引いたり、付箋を貼ったり、単語帳として保存できたりする機能も入れました」
佐藤氏「先生からの意見も反映し続けて、学習に対して常にいいものを作っていこうと。早く引くなら電子辞書がいいよねと、認めてもらえるようになりました。今後は電子辞書を使ってきた世代が親御さんになっていくので、紙の辞書と一緒に、電子辞書を自然に選んでもらえるようになるといいですね。
小学校でも英語の授業が始まったので、英語学習の環境的な土壌も整ってくるのかなと思います」
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