今回の映画を演出する柴崎貴行監督は、2006年の『仮面ライダーカブト』でデビュー以 来、主に「仮面ライダー」シリーズを中心に活躍していた若手の俊英。『ゴーバスタ ーズ』では第1~3話と、シリーズの骨格を築き上げるメイン監督を務めた(最終回も担 当)。
2011年『海賊戦隊ゴーカイジャー』にてテレビドラマ初出演および初主演。そのほか関連映画でも主演を務めるとともに、映画『悪夢のドライブ』(2012年)、TVドラマ『サマーレスキュー~天空の診療所~』(2012年)と活躍の場を広げ、2013年2月9日に公開が予定されている『恋する歯車』にも出演|
鈴木:「今までのVSシリーズは、たくさんヒーローが出たりロボが出たりと、派手な面ばかりが話題になることが多かったので、今度もそうなのかなと思ってたんです。でも、今度の映画はヒロムたちとバディロイドとの"絆"や"友情"がテーマになっていて、かなりドラマ面で見せるところがあるなと感じました」
小澤:「しっかり『ゴーバスターズ』のカラーになっているよね」
鈴木:「柴崎監督とはテレビシリーズでずっと一緒にやってきたこともありますし、安心感がありましたね」
小澤:「俺は柴崎監督とは初めてでしたが、細かい演出を好む監督だと思いました。芝居に関しても、細かい注文をされましたね」
鈴木:「柴崎監督の撮るエピソードでは、いつも現場で『こういう画が上がってくるな』と想像したものより、凄いものが仕上がってくるんです。そういう意味で毎回の柴崎監督回は楽しみなんですよ。クールな感じなんだけど、ユーモアも持ち合わせていて、好きな監督さんです」
これぞ「VSシリーズ」というべき名シーン、それはヒロムとマーベラスが素面で立ち回りを行うアクションシーンだろう。個性の違う両レッドが互いに火花を散らして対決する画がカッコよく決まっているからこそ、クライマックスでの共闘シーンが引き立つというものである。
小澤:「鈴木くんと素顔で長回しのアクション、やったよね」
鈴木:「お互いに剣を持って、ワンカットでずいぶん長く立ち回りましたね」
小澤:「たいへんだったぶん、印象に残ったと言われるようなシーンを作りあげることができたのはよかったです」
鈴木:「あと、レッドバスターがゴーカイレッドの決めセリフ『派手に行くぜ!』を言うシーンもあったんですよ」
小澤:「俺はそのシーンのアフレコ現場にいなかったので、まだそのセリフを聞いてないな……」
鈴木:「ゴーカイレッドの言い方とは、また違った感じになってると思います」
小澤:「本家からすると『ふん、まだまだだな』なんて言っちゃうかも(笑)」
改めて2人に、「スーパー戦隊シリーズ」でレッドを演じたことについての感想を尋ねた。
小澤:「半年間、マーベラスから離れていましたけど、この衣裳を着たらすぐに戻れますね。撮影スタッフになじみの方たちがいることもあって、ここ(撮影所)に来るとすんなり『戦隊』に戻ることができるんです」
鈴木:「僕も、『ゴーバスターズ』を終えてしばらくしたら、ここの現場を懐かしいと思うようになるんだろうか(笑)。僕自身は『ゴーバスターズ』を一本の作品として作り上げることに一生懸命なんですけれど、周囲の人たちが長い歴史のある『スーパー戦隊』のひとつとして見ていて、その中に僕たちを組み入れてくださってるのはありがたいと思います」
2人は「ヒーローを演じたこと」を大切な経験としながら、今後も俳優としてさまざまな役柄をこなしてみたいと抱負を語る。鈴木勝大、小澤亮太のこれからに、大いなる期待 を抱かずにはいられない。
鈴木:「作品のテイストとして、『ゴーバスターズ』とまったく違うジャンルをやってみたいです。コメディとかもいいですね」
小澤:「俺も『ゴーカイジャー』が終わってから、ヒーローとはぜんぜん方向の違う役を多く演じてきました。オタク青年だったり、平凡な大学生だったり、これからもいろんなパターンの役をどんどんこなしていきたいです」
鈴木:「今後、演じてみたい役としては、たとえば"姑息で卑怯"な男とかね。役者として、王道のカッコいい役もいいですけれど、見ていて『コイツ嫌な奴だなあ』みたいに思われるような人物も表現できるように、演技の幅を広げていきたいです」
小澤:「ヒーローを演じるときは、子どもたちにとって最高のヒーローでありたいと思うけれど、それだけじゃなくてね」
鈴木:「あと、こういうインタビューで話すことでも"こういうことを言ってほしい"なんていう期待には応えたくないですね(笑)。できるだけ自分の"そのまま"を出すことができればいいなと思います」
小澤:「いい意味で周囲の期待を裏切って、今後もいろんな方向に飛躍していきたいです ね」
映画『特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE』は現在公開中。
「ゴーバスターズVSゴーカイジャー」製作委員会(C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映