D-Cache Latency(グラフ31~40)
L1/L2におけるLatencyの詳細をみるのがこちら。Trinityでの結果はこちらである。
まずグラフ31と32だが、L1 D-Cache Latencyに関してはFX-8150とFX-8350で殆ど差がなかった。そこで、個別にグラフを描くのではなく、4つのアクセスパターンについてFX-8150とFX-8350の差を取ってみたのがこちらである。ちなみに結果は、
FX-8350のLatency - FX8150のLatency
で、なので数字が+であればそこはFX-8350の方がLatencyが多く、-ならばFX-8150の方がLatencyが多くなる。さて結果を見ると判るとおり、Method 1では殆ど誤差の範囲、Method 2でも殆どのケースでは0.5cycle未満で、3.5cycleほど違うケースもあるが一過性のものなので、これも誤差の範囲と考えられる。つまりL1に関してはインプリメントに差は見出しにくい。
その一方、L2に関してはもう少し差が出ている。Method 1の結果がグラフ33~36、Method 2の結果がグラフ37~40であるが、全体としての傾向そのものはそれほど大きく変わっていない。ただ2つのグラフが完全に一致しているわけではなく、細かくずれているのが判る。
もっともずれ方は完全に一意ではなく、FX-8150よりもむしろ悪化しているケースが少なくないが、逆にFX-8150に見られる不規則なピークが消えていたりする部分もあり、L2に何らかの手が入った事そのものは間違いないと思う。恐らく先にD-Cache/RAM Latencyで説明したような変更の結果として、ここでも数字がずれてきているものと思われる。