普段使いには十分なベンチマーク結果

続いてベンチマーク結果を紹介しよう。スペックをおさらいしておくと、CPUはIntel Atom Z2760(1.8GHz)、メモリは2GBでストレージが64GB SSD(mMMC)、グラフィックスがCPU内蔵のIntel Graphics Media Accelerator(PowerVR SGX 545)、OSがWindows 8 32bit版だ。

Windows 8の快適さを表わす指針「Windowsエクスペリエンスインデックス」では、「プロセッサ」が「3.4」、「メモリ」が「4.6」、「グラフィックス」が「3.7」、「ゲーム用グラフィックス」が「3.3」、「プライマリハードディスク」が「5.6」という結果だった。CPUとグラフィックスのスコアの低さが気になるが、消費電力の低いAtomシリーズであることを考えれば、妥当な値かもしれない。

最高値はプライマリハードディスクの「5.6」だが、Ultrabookで主流のSSDに比べるとスコアが低いように思えるだろう。HP ENVY x2に搭載されているeMMCタイプのSSDは、アクセス速度よりも消費電力が低い点が特徴であるため、一般的な2.5インチのSSDよりも値が低いのはやむを得ないのだ。

なお、Windowsエクスペリエンスインデックスの値は、Windows 7では最大「7.9」だったが、Windows 8は最大「9.9」になっている。それを考えても全体的にスコアが低く思えるが、下記でも述べているように、よほど"重い"用途でなければ大きなストレスは感じない。

マシンの総合的な性能を検証する「PCMark7」と「PCMark Vantage」では、以下のような結果となった。

■ PCMark 7 ■ PCMark Vantage 64bit
PCMark score 1425 PCMark Score N/A
Lightweight score 938 Memories Score 1005
Productivity score 588 TV and Movies Score N/A
Creativity score 2870 Gaming Score 1785
Entertainment score 1040 Music Score 2981
Computation score 3607 Communications Score N/A
System storage score 2976 Productivity Score N/A
HDD Score 5619

「PCMark Vantage」はWindows 8に正式対応していないこともあり、一部のテストが計測不能となっている。結果は全体的に低めだが、これはあくまでもPCとしての性能を表す指針。タブレットスタイルでWindowsストアアプリを動かすぶんには、ストレスを感じる場面はなかった。

フルHDの動画を視聴してみたところ、コマ落ちもなくスムーズに再生できた。デスクトップで画像を拡大縮小するような処理では多少の引っかかりを感じるものの、普段使いには特に問題ないだろう。メールやネット閲覧には十分な性能である。

バッテリも長持ち

さて気になるのは、バッテリ性能だ。駆動時間の計測には、BBench(海人氏作)を利用。電源プランにはHP ENVY x2で唯一選択可能な「バランス」を選び、液晶ディスプレイの明るさを50%程度に設定した。タブレットスタイルにて、無線LANで1分ごとにWebサイトにアクセスし、10秒ごとにキー入力を行う設定でテストしたところ、8時間22分という結果に。実際の利用に即した環境でこれだけ駆動すれば十分だろう。キーボードドッグを接続すれば、さらに長時間の駆動が可能だ。

余談だが、カタログ値でのバッテリ駆動時間は約10時間45分で、これには日本HP独自の計測方法が採用されている。簡単に説明すると、無線LANをオフ、液晶ディスプレイの輝度を控えめ、未使用のアプリやサービスを終了した状態で、Acrobat Reader 7.0やMicrosoft Office 2003 Proなど、ちょっと古めのソフトをスクリプトで自動処理しまくった結果とのこと。ベンチマーク全般に言えることだが、特にバッテリ駆動時間に関しては参考と考えておくほうがよい。

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