「Ivy Bridge」に消費電力が7Wの超省電力モデルを追加

続いて登壇したのが、米Intel 副社長 兼 PCクライアント事業部長のKirk Skaugen氏。まず発表したのが、7ワットの消費電力を実現した新たな省電力版Ivy Bridgeだ。ただ7ワットという数値は、TDPではなくSDP(Scenario Design Power)と呼ばれる新たな定義での数値で、詳細はわからない部分もあるが、熱デザインが柔軟になれば、さらに薄型のUltrabookが可能になるなどの期待が持てる。

米Intel 副社長 兼 PCクライアント事業部長のKirk Skaugen氏

Ivy Bridgeで、さらに消費電力を落とした7ワットの消費電力枠を新設。Ultrabookのデザインの幅がひろがることが期待される

これまでのIvy Bridgeの省電力版は、消費電力が15ワットまたは17ワットのモデルを展開していた。昨年のIDFでIvy Bridgeに10ワット以下の枠を拡充することは予告されていたが、これが正式に発表となったかっこうだ。搭載製品は今年の春モデルから登場してくる予定で、Lenovoの「IdeaPad Yoga」の11インチ版などの各社サンプル機が公開されていた。

Lenovoの「IdeaPad Yoga」の11インチ版。「IdeaPad Yoga 11S」というモデル名で、今年の春モデルとして投入されるものと見られる

「Haswell」搭載Ultrabookのリファレンスデザインを実機で公開

さらにSkaugen氏は、現行Ivy Bridgeに続く22nmプロセスベースの次期Intel Core「Haswell」に関する発表も行った。Haswellは、同社いわく、Ultrabookを念頭に開発する最初のIntelプロセッサとされている。今回の発表も、Haswellを搭載するUltrabookのリファレンスデザインに基づいた開発実機の公開であった。

次期Intel Core「Haswell」を搭載するUltrabookのリファレンスデザインと、その特徴

今回公開された実機は、LenovoやAcerらが開発中という、何種類かのコンバーチブル型のUltrabookだ。ただ、実機動作で開発が順調であることを見せるためのデモ、という意味合いが強いのか、リファレンスデザインの細かいスペックなどはあまり語られることがなかった。

リファレンスデザインに基づいた「Haswell」搭載の分離合体コンバーチブル

タブレット単体で10時間駆動で、キーボードドック側のバッテリをあわせれば、さらに駆動時間を伸ばせる。「真の丸一日のバッテリ駆動を実現する」のだそうだ

しかしながらSkaugen氏は、このリファレンスのコンバーチブルUltrabookを分離した、タブレット単体側のものとして、ディスプレイは13型のフルHD、本体重量は800グラム台、本体の厚みは10mm、CPUはCore i7まで搭載可能で、バッテリ駆動時間は10時間と説明。コンピューティングの処理効率は、Ivy Bridgeから落ちているとは考えにくいのだから、Haswell世代のリファレンスの能力が、かなり高いであろうことは伺い知ることができた。