2012年にブレイクした家電製品というと、LED照明、ロボット掃除機、扇風機、スマートテレビ、Bluetoothスピーカーといったところではないだろうか。2013年は、これらの製品はどうなるのだろうか。動向を予測してみたい。

二極化が進むLED照明の2013年は?

2012年は、一般家庭でのLED照明の普及が加速した年だった。なかでも注目を集めたのがLEDシーリングライトだ。大きなヒットには恵まれなかった家電業界で、唯一ヒットと呼べる製品があるとしたら、LEDシーリングライトだと筆者は思う。また、LED電球も一般家庭で普通に使われるデバイスとなっている。2013年のLED照明はどのような方向に向かうのだろうか。

アイリスオーヤマのLEDシーリングライト。シンプルかつ低価格で大きくシェアを伸ばした

LEDシーリングライトでは2012年半ばから、高度な節電機能や付加価値を備えたハイグレードモデルと、機能を抑えたシンプルモデルの二極化が進行していた。シンプルモデルを中心に大きくシェアを伸ばしたメーカーもある。21013年は、これまでシンプルモデルを中心にしたメーカーが、本格的にハイグレードモデルを投入してくるのではと、予想される。収益率の高いハイグレードモデルに低価格メーカーが本格参入することで、おそらく2012年以上にホットな市場になるだろう。

シャープが発売したLEDシーリングライト。癒しのこうかがあるとされている「さくら色」に加え、プラズマクラスターイオン発生機も搭載する

LED電球に関しては、広配光が大きなキーワードになったのが2012年だった。しかし、先行しているメーカーでは、既に300度くらいの配光角を実現している。電球の形状をしている以上、これ以上の配光角を設けるのは無意味だ。2013年、LED電球のポイントになるのは、価格と演色性能だろう。これまで、演色性の高さを製品のポイントとしてきたパナソニックや三菱電機だけでなく、2012年には東芝ライテックも高演色タイプのLED電球を投入してきている。

東芝ライテックが発表した高演色LED電球

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ロボット掃除機はさらに進化する?

ロボット掃除機の元祖といえば、かつてエレクトロラックスが製造し、国内では東芝が販売していた「トリロバイト」ということになっているが、あまりの高価格(20万円前後)と、日本の住宅事情には合わない大きさによって、それほど販売台数は伸びなかった。ロボット掃除機が注目されたのは、アイロボットの「ルンバ」の登場からだというのは間違いないところだろう。

2012年も独走状態だった「ルンバ」

その後、各社から、まずは低価格なモデルが続々と発売された。多くは中国製や韓国製の製品で、ネットを中心に販売されていた。当初それらの性能は決して褒められたものではなかったが、ロボット掃除機の普及に貢献したことは確かだろう。現在では、ブラシが付いており、壁や家具のそばのホコリもかきとる。センサーが付いており、段差で落下しない。充電ポートに自分で戻る。リモコンによる操作が可能。こういった基本機能を備えた製品が、ルンバよりも低価格で販売されている。

シャープの「ココロボ」。会話機能など独自路線を行く

そのような中、2012年、シャープから「ココロボ」が発売された。これは、ルンバ以上の性能を目指した製品だ。掃除機としての性能だけでなく、エンターテインメント性の向上も図られているのが大きな特徴だ。しかし、価格の高さもあり、まだルンバの牙城を崩すには至っていない。2012年もルンバの独走状態は続いた。2013年も、大きくは、この流れは変わらないだろう。

ロボット型掃除機は言うまでもなく、放っておいても掃除をしてくれるという利便性の高さがポイントだ。しかし、階段や棚の掃除には向いていないし、エアコンのフィルターの掃除をさせることもできない。そういったロボット掃除機に不向きな場所を掃除する、いわばロボット掃除機を補完するクリーナーが、今以上に注目を集めるのではないだろうか。"かゆいところに手が届く"掃除機とでもいうべきか。デザイン性が高く、手軽な縦型クリーナーが2013年、注目されるクリーナーの一つになると筆者は考えてみた。

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