皆さんは、カーナビ(以下ナビ)の地図の更新を行っているだろうか。先日、筆者の実家の近くでナビの画面を見ていたところ、まったく道路と画面とが一致しなくなった。ナビの精度の問題ではない。新しい道が開通し、それまでの道路が通れなくなっていたためだ。このような新規道路の開通は、さほど珍しいことではない。しかし、高速道路の新規開通のようなケースはニュースとして取り上げられるのに対して、都道府県道や市町村道の場合、地元の人間以外は知らないというケースがほとんどだ。
その時に運転していた車に搭載されていたナビは、メーカー純正のもので、購入してから一度も地図の更新をしていない。少々古いものなので、更新サービスも既に期限が切れている。こういった状況に陥っている方は意外と多いのではないだろうか。そのような古い地図を収録したナビに頼った運転をしていると、突然慌てることになる。
古い地図データでは「いざ運転!」という時に慌てがち
というわけで、メーカーの純正ナビの更新の方法を調べてみた。トヨタ車の場合、Webサイトか販売店の店頭で申し込み、後日、販売店からの連絡があったら来店し、データ更新を行うという手順のようだ。ホンダ車の場合も、更新データをディーラーに注文し、その到着を持つことになる。通常は取り寄せで、数日かかるらしい。いずれにせよかなり時間がかかりそうだ。少なくとも、今度の年末年始には、これから申し込んだのでは厳しそうである。
さて、皆さんの車のナビは、どのようなタイプの製品だろうか。
純正品以外の製品を見てみよう。ポータブルナビの場合、パナソニックやパイオニアの製品では、地図のアップデートが可能だが、低価格製品を主力とするメーカーの製品では、地図データの更新が行えない製品が多いようだ。
確かに、1万円台で販売するような低価格ナビで、いちいちデータの更新に対応するのは、コスト的にも厳しい気がする。ユーザーとしては、使えなくなるまで使って、その時にまた新しいものに買い換えればOKだろう。きっとその頃には、買い換え前よりも高性能なナビが、その価格帯で登場しているに違いない。
ユピテルのデータダウンロード更新プランページ。オービスとコンテンツの更新はできるが、地図データの更新は行えない |
それよりも上のクラスではどうだろうか。
クラリオンの場合、スマートアクセスリンク機能を搭載しているモデルでは、PC経由で、地図差分更新サービスが利用できる。使用開始日から3年間の無料地図データサポートも付属している。また、それ以外のモデルでも2007年以降の製品ならば、販売店でバージョンアップキットを購入し、PCや携帯電話でデータををダウンロードし、更新作業を行うことが可能だ。
JVCケンウッドの場合、「KENWOOD MapFan Club」に入会することで(月額315円)、最長5年間の地図更新が可能だ。地図更新自体は無料で、携帯電話またはスマートフォン、PC経由で更新作業を行うことになる。
パイオニアの場合、DVDナビとそれ以外では方法が異なる。DVDナビの「DVD楽ナビ」「DVDサイバーナビ」の場合は、対応するナビゲーションマップを購入し、差し替える。それ以外の「HDDサイバーナビ」「HDD楽ナビ」「楽ナビLite」「エアーナビ」では、製品に3年分のマップチャージが付属しており、SDメモリーカード経由で更新作業を行うことができる。また通信モジュールを搭載したモデルでは、道路データと地点情報データの差分更新を、本体のみで行うことができる。
パイオニアのカーナビバージョンアップ情報ページ |
パナソニックの2013年度版年度更新版地図ページ |
パナソニックの場合、「ストラーダ」シリーズでは、データ更新キットを購入して自分で更新作業を行う。「ゴリラ」シリーズでは、ゼンリンのオンラインショップで更新データを購入し、やはり自分で更新作業を行うことになる。
販売店に差分データや新規の地図を購入しに行かなければならないナビは、やはり手間なうえ、時間がかかる。それに対して、PC経由で更新データをダウンロードできるナビ、あるいは本体の通信ユニットで差分データを入手できるナビは、手軽に更新作業を行うことができるといえるだろう。
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