そしてもう一つの話題はご存じ「Windows 8」である。8月1日に開発が終了し、MSDNやTechNet加入者には8月15日、SA向けには同月16日に提供されていたが、パッケージ/ダウンロード版として全世界に向けて発売開始されたのは10月26日である。発売一カ月後にはライセンス販売数が四千万本に達したと発表されるなど、販売初速に限っては合格点を得た(図20)。
こちらの引用コメントは海外ソーシャルメディアの最新情報を取り扱う米国のブログメディアMashable(マッシャブル)から。「大胆かつ強力」というシンプルなコメントだが、前者がモダンUIを指し、後者がWindows 8の内部的な進化を指しているのは明白だ(図21)。
そして同月最後の話題が「Windows Phone 8」。サーバーから個人端末までWindows OS一色に染め上げるラインナップを用意するMicrosoftだが、日本国内は事情が異なる。Windows Phoneの公式サイトにアクセスすると、当初国内向けに販売されると思われていた。12月初旬にはNOKIA製「Lumia 820」「Lumia 920」や、HTC製「Windows Phone 8S」「Windows Phone 8X」の紹介ページが用意されたものの、早々にページは削除。執筆時点では、Windows Phone 7.5搭載の「IS12T」のみとなっている(図22)。
記者向け発表会で日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、当初Windows Phone 8に対する意気込みとして、「Windows 8とWindows Phone 8は相互的に勢いを増していく」という内容をコメントしていたが、残念ながら現時点では明確な情報は同社から聞こえてこない。動画では米国の新聞Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)から「その統合された美貌。機能的な特性とセクシーな新しいハードウェアは、スマートフォンの勝者となる」というコメントを引用している(図23)。
11月は「Halo 4」。米国では多大なる人気を持つHalo(ヘイロー)シリーズの最新作だ。Macintosh向けFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲームとして1994年に「Marathon(マラソン)」をリリースしたBungie(バンジー)を2000年にMicrosoftが買収。その結果生み出された同シリーズだが、Xbox/Xbox 360の中でももっともヒットしたタイトルと言われている。前作「Helo 3」は1,100万以上の販売本数を打ち出すなど、海外では注目ゲームタイトルの一つだ(図24)。
Halo 4は発売から一日で二億二千万ドルを稼ぎ出したタイトルだが、こちらのコメントはビデオゲームを中心としたニュースサイトIGNのレビュー記事から「Xboxの元祖キングが元の地位へと帰還した」というコメントを引用。日本で言うところの「ドラゴンクエスト」最新作がリリースしたような扱いを想像すると分かりやすいだろう(図25)。
12月は当月ということから何も用意されていないが、動画では最後に「慌ただしく過ぎた2012年の出来事は、翌年以降の基礎を作り出した」といった意味のコメントで締めている。「来年のことを言えば鬼が笑う」と言うが、2013年のMicrosoftは、Windows Blue(開発コード名)の開発や新しいOfficeのリリースを控え、忙しなく過ぎていくことだろう。本レポートは来年もWindows OSを中心にMicrosoftの動向を逐一報告するので、2013年も引き続きご覧いただきたい。
阿久津良和(Cactus)