いまや数少なくなったセパレート型デスクトップPC。国内大手メーカー製のコンシューマ向けとしては、2012年12月現在NECと富士通の2社のみからリリースされている。今回はNECのセパレート型デスクトップPC「VALUESTAR L」シリーズの上位モデルとなる、「VALUESTAR L VL750/JS」を試用した。
2012年5月に発表された夏モデル「VALUESTAR L VL750/HS」から、ストレージが2TBから3TBへ、グラフィックスがGeForce GT 435MからGeForce GT 630へと、基本スペックが強化されている。
■主な仕様 [製品名] VALUESTAR L VL750/JS [CPU] Intel Core i7-3770S(3.10GHz) [チップセット] Intel H61 Express [メモリ] 8GB(PC3-12800) [ストレージ] 約3TB SATA HDD [光学ドライブ] ブルーレイディスクドライブ(DVDスーパーマルチドライブ機能対応) [グラフィックス] NVIDIA GeForce GT630 [ディスプレイ] 23型ワイド液晶(1,920×1,080ドット) [テレビ機能] なし [OS] Windows 8 64bit [店頭価格] 199,800円前後
シンプルな白いセパレートデスクトップPC
最近では大手メーカー製デスクトップPCといえば、ほぼディスプレイ一体型だ。大きなディスプレイの背面に全てを組み込んでいるおかげで配線もすっきりとまとまるし、電源も1つで済む。なによりデザインがスマートで、リビングなどにも置きやすい。
しかし、セパレートタイプを使い続けたいという人もいるだろう。一体型のデスクトップPCは構成パーツも使い方もノートPCに近い。また、1つにまとまってはいるが、さすがに液晶ディスプレイ単体と比べれば厚いため、机の下などに別途セパレート型の本体を置けるスペースがあるような場合は、逆に設置スペースが必要になる場合もある。デスクトップPC用のパワフルな構成で、置き方や使い方にも自由度が高いものを求めているのならば、「VALUESTAR L」は手頃なモデルだ。
ラインナップはCore i3-3220 CPUに19型ワイドディスプレイを組み合わせた「VL150/JS」と、Core i7-3770S CPUに23型ワイドディスプレイを組み合わせた「VL750/JS」の2種類。今回は上位の「VL750/JS」を試用しているが、本体デザインは共通している。
本体は白ベースで、右側のパネルにグレーのロゴが入っただけのシンプルなデザインだ。W98×H343×D401mmとコンパクトなサイズに収まっており、縦置きする時には支えとなるスタビライザを取り付けることになる。
付属するディスプレイは白基調の狭額縁タイプで、角がわずかに丸くなっている。液晶はスピーカー内蔵のスーパーシャインビュー LED IPSパネルを採用し、視野角が広く表示も美しい。電源ボタンや設定ボタンは右下に小さなものが並ぶ。
本体、ディスプレイともに自己主張のないシンプルなデザインだ。オフィスで使っても良さそうなほどすっきりしたデザインで、最近のカラフルなPCを見慣れた目には少々寂しくも感じられるが、どんな部屋に置いても邪魔にならないのは魅力だろう。
チルトホイールでWindows 8も簡単操作
PS/2接続のキーボードは本体と同じく白で、テンキー付きだ。アイソレーションタイプではないのだが、キートップ左右のエッジ部を小さく削ったデザインとなっており、見た目にはキーピッチが広く取られている印象を受ける。タイピング中に隣のキーに触れてしまうという心配はあまりなさそうだ。タッチは軽く入力しやすい。
キーボードには本体用の電源ボタンが付いているため、手元で本体電源の操作ができる。これが地味に便利だ。セパレートタイプのPCでは本体とディスプレイを少し離れた場所に置きたい場合もあるだろうが、本モデルでは本体とディスプレイそれぞれの電源を個別に操作する手間が省かれている。
マウスはチルトホイールに対応。NECの独自特徴としてWindows 8対応を謳っており、Windows 8のModern UI画面では、ホイールを倒すことで横スクロールできる。また、画面左右端で画面外に向かってホイールを倒すとチャームバーやアプリ一覧も表示でき、Windows 8独特の動きを使いやすくしてくれている。