「PRIVIO DCP-J940N」(以下、J940N)は、コストパフォーマンスの高いインクジェット複合機だ。家庭向けモデル「PRIVIO BASIC」の中でも、もっとも多くの機能を搭載したハイエンドモデルに位置づけられている。

最大の魅力はなんと言っても機能が豊富な点だ。自動両面印刷やスマートフォンプリント、複数枚の書類を一気に取り込めるADF、無線LANなど、複合機のトレンドが詰め込まれている。値段はオープン価格とされているが、メーカー参考価格は24,980円。実売では1万円台の中盤から後半で販売しているショップもある。これだけの機能を備えたモデルが、低価格で手に入るのは驚きだ。

「PRIVIO BASIC」のハイエンドモデル「DCP-J940N」。用意されている本体カラーはブラックとホワイトの2種類(写真はブラックモデルのPRIVIO DCP-J940N-B)

■試用機の主な仕様 [製品名] PRIVIO DCP-J940N [インクシステム] 4色独立インクシステム(染料C/M/Y+顔料Bk) [プリント解像度] 最高6,000×1,200dpi [最小インク滴サイズ] 1.5pl [スキャン光学解像度] 2,400×2,400dpi [最大用紙サイズ] A4 [FAX] なし [インタフェース] USB 2.0、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN [本体サイズ/重量] W405×D378×H180mm/約9.3kg [メーカー参考価格] 24,980円

質実剛健な本体デザイン

本体のサイズはW405×D378×H180mmと、最近のインクジェット複合機としてはやや大きめの部類に入る。意外と奥行きがあるので、小さな棚などに設置するのは難しいかもしれない。幅は狭いため、前面からの見た目は比較的コンパクトだ。重量も約9.3kgと重いが、設置場所を決めてしまえば問題ない。また、デザイン面でも特別な高級感があるというわけではなく、存在感が割と控えめな印象を受ける。

J940Nの前面。奥行きは長いが幅は狭いため、奥行きを解決できれば机上でもそれほど邪魔にならないだろう

背面には、用紙づまりの際に利用するメンテナンス用カバーがある

試用したブラックモデルは落ち着いた雰囲気で、シーンを選ばずに設置できるデザインだ。また、白系のPCやスマートフォンを使っているなら、ホワイトモデルで色を統一するのもいいだろう。

操作パネルは天板から1段低い場所に設置。角度を変えられるのは液晶モニタのみ

天板とタッチパネルは光沢仕上げで、本体側面はつや消し加工が施されている。光沢部分は汚れが目立ちやすいのは仕方がない。軽く拭き取れば問題ないのだが、汚れが気になる人はホワイトモデルを選ぶといい。多少は改善されるはずだ。

操作部分にはタッチ対応液晶モニタとボタン類が配置されている。液晶モニタのサイズは3.3型で、チルトアップ機能により角度を変えられる。

ネットワーク機能としては、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LANとIEEE802.11b/g/n対応無線LANを搭載。無線LANへの接続は本体のみでも設定可能だ。WPSやAOSS(バッファロー)、らくらく無線スタート(NEC)などのかんたん接続機能を使えば、SSIDやパスワードの入力など面倒な手間を省けるので便利(各接続機能に対応した無線LAN親機が必要)。

ネットワークに接続することで、PicasaやGoogleドキュメント、FlickrなどのWebサービスに接続可能だ。RSSを登録すれば、ブログやニュースサイトのフィードを購読できるのも便利。

液晶モニタでの無線LAN設定。SSIDを選択してパスワードを入力する場合は「無線接続ウィザード」を利用。かんたん接続機能を使う場合は「WPS/AOSS」を選ぶ

Webサービスに接続することで、クラウドに保存した画像を直接印刷できる

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