「PRIVIO DCP-J4210N」(以下、J4210N)は、ハイエンドなインクジェット複合機シリーズ「PRIVIO NEO」にカテゴライズされる製品だ。コンパクトな外観に大きくて扱いやすい3.7型の液晶タッチパネルを搭載。自動両面機能や無線LANなど便利な機能に加え、手差しのA3プリントにも対応している。価格はメーカー参考価格では29,980円とされているが、実売ベースでは2万円台の前半で販売しているショップもある。高機能ながら価格が抑えられているのも魅力だ。

「PRIVIO DCP-J4210N」

■試用機の主な仕様 [製品名] PRIVIO DCP-J4210N [インクシステム] 4色独立インクシステム(染料C/M/Y+顔料Bk) [プリント解像度] 最高6,000×1,200dpi [最小インク滴サイズ] 1.5pl [スキャン光学解像度] 2,400×2,400dpi [イメージセンサー] CIS [最大用紙サイズ] A3 [FAX] なし [インタフェース] USB 2.0、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN [本体サイズ/重量] W480×D290×H163mm/約8.2kg [メーカー参考価格] 29,980円

見た目のよさと実用性を兼ね備えた本体デザイン

本体は突起部分のない四角い形状で、すっきりとしたデザインだ。フットプリント(底面積)はW480×D290mmで、A3用紙よりもひと回り大きい。ただし特別大きいというわけではなく、インクジェット複合機では標準的な大きさである。

PRIVIO DCP-J4210Nの本体前面(写真左)と背面(写真中央)。電源コードは本体にあらかじめ接続されているため、取り外しはできない

本体の高さは163mmと低めだが、天板を完全に開けるのには460mm程度は必要。棚のすき間では天板が引っかかってしまうかもしれないが、机上に設置すれば問題ないだろう。

本体の素材は樹脂だが全体につや消し加工が施されているため安っぽさはなく、落ち着いた雰囲気の外観だ。光沢のグロス仕上げでは皮脂や指紋による汚れ、あるいはホコリが目立ちがちだが、マット仕上げの本機は使い込んでも汚れがほとんど気にならない。唯一、タッチパネルがグロス仕上げだが、直接光が当たる部分ではないため、汚れが目立つことはなかった。

タッチパネル部分を持ち上げることで、見やすい角度に調整できる

天板はフラットで、ドットパターンが刻まれたマットな仕上がりだ。本体側面に比べて汚れが目立ちやすいが、ホコリなどが付いてもサッと一拭きするだけでよい。

大容量インクカートリッジで低ランニングコストを実現

使用するインクは、顔料ブラックと染料シアン/マゼンダ/イエローの4種類。インクカートリッジには標準タイプと、印刷コストを低く抑えられる大容量タイプが用意されている。印刷コストの公称値は、L判フチなしのカラー印刷で19.8円/枚、A4用紙で7.3円/枚だ。

本体前面の右下にあるカバーを開けてインクカートリッジを交換する。インクは顔料ブラックと染料シアン/マゼンダ/イエローの4色構成

印刷解像度は6,000dpi×1,200dpiで、最小インク滴は1.5pl。試しにカラー写真を最高画質で印刷してみたところ、非常に精細な仕上がりとなった。標準画質も多少粗さが見える程度で、最高画質と標準画質の違いは一目見ただけではまず分からない。文書の文字もシャープに出力され、かすれやにじみはほとんど見られなかった。レーザープリンタの出力と比べれば輪郭などのクッキリ感に違いはあるが、十分なクオリティと言ってよい。

次ページ: A3プリントと自動両面印刷に対応