ズームできないことを不便と感じる向きもあるが、画像サイズをやや縮小することで疑似ズームをおこなうスマートテレコンバーター(約1.4倍/約2倍)機能を使う手もある。それに、35mm 開放F2といえば、昔はカメラの定番レンズ。被写体が遠ければ自ら近付けばいいし、さらに遠ければ被写体へのアプローチを切り替えればいい。実際に撮っていると、ズームによる操作と構図への迷いから解放されることで、被写体の懐に自分から一歩踏み込める感覚が味わえる。

マイクロUSB端子、Hi-Speed USB (USB2.0対応)、HDMIマイクロ端子、マイク端子 (3.5mmステレオミニジャック)を装備

バッテリーおよびメモリーカードスロットは底面。メモリースティック デュオ系のほかSD、SDHC、SDXCメモリーカードに対応

木村伊兵衛もカルティエ=ブレッソンも、ロバート・キャパも、巨匠たちはこれで数え切れない名作を撮ってきた。それをトレースするかのような(もちろん性能は格段に上だが)カメラが、いわゆる家電メーカーとしてのイメージが強いソニーのブランドを冠して発売されたことは感慨深い。これは間違いなく、カメラ史に残る一台だ。もっとも、このカメラが作れたのは世界一の撮像センサーメーカーであるソニーだからこそ、ともいえる。

オプションのジャケットケース「LCJ-RXB」希望小売価格22,050円

電子ビューファインダーキット「FDA-EV1MK」希望小売価格44,100円

内蔵フラッシュをポップアップさせた状態。ガイドナンバーは6。ISO25600時の到達距離は43.4m

レンズフード「LHP-1」(希望小売価格13,230円)とサムグリップ「TGA-1」(希望小売価格19,950円)を装着した状態

TGA-1は、再生ボタンを塞いでしまうため、再生ボタン使用時はヒンジを中心に左へ逃すことができるようになっている。また、TGA-1を装着すると電子接点が塞がれるため、EVF(電子ビューファインダー)は装着できない

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