――近年、様々な撮影技術が生まれると同時に、ストップモーションアニメのような昔からある技法があまり使われなくなってきていますが、その点についてはどう思いますか。
「数年前にディズニーが手書きアニメをやめると発表しましたが、今でも手書きアニメを公開しており、そのいずれの作品も素晴らしいものです。私はCGも手書きアニメも、ストップモーションアニメもすべて素晴らしいと思いますので、すべての技術が残ってくれればいいなと思います」
――監督の考えるストップモーションアニメの魅力とは?
「この技法で撮影することにより、実際にパペットを目にして触れることができます。そして、撮影セットにいくと、光のあて方、照明がまるで実写のセットのように作られていることもあり、手作り感と美しさがあることですね」
――ところで、この作品にはいわゆる"モンスター"と呼ばれるクリーチャーが多く出てきますよね。監督のお気に入りのモンスター映画を教えて下さい。
「フランケンシュタインをはじめ、ドラキュラ、 狼男、日本の怪獣映画、アニメすべて好きですね。ひとつに選べないので、今回、多くのモンスターを登場させています(笑)」
――監督の生み出すキャラクターはいつも個性ですが、本作で特に思い入れのあるキャラクターはどのキャラクターでしょうか。
「この作品に関しては、すべて実在する人を基にしており、それは自分の一部として大切にしている思い出に出てくる人たちです。すべての作品において、全キャラクターが好きなわけではありませんが、この作品に関してはすべてのキャラクターが好きですね」
――では、キャラクターではなく、ご自身で生み出された作品のなかで一番好きな作品を教えて下さい。
「すべての作品に想いがあるので、なかなか選べないですね。強いて挙げれば、『フランケンウィニー』、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(2009年)、『シザーハンズ』(1990年)などには、特別な思いがありますね」
――この作品に限らず、監督が作品を制作する際に、常に心がけていることはありますか?
「作品に気持ちを注ぐことはとても重要なことなのですが、私は事前にあまり考えすぎないようにしています。その場その場で自分が何を感じているかが大切になることもありますので」
――最後に、日本の若きクリエイターにアドバイスをお願いします。
「"ものを作る"ということであれば、絵を描くことや映画を作ること、音楽を作ることなど、色々あると思うのですが、とにかく自分のクリエイティブな部分を探求するべきです。そして、今の時代、様々な技術の進歩もあり、容易にものづくりができる環境が整っています。なので、自分の作りたいものに情熱をもって、とにかくやることが大切だと思います」
映画『フランケンウィニー』は12月15日、3D/2Dにて全国公開。
撮影:石井健