興味深いiPhone向けナビゲーションアプリが登場した。インクリメントPが12月10日にリリースした「MapFan eye」だ。ナビゲーションの肝は目的地までのルートを的確に教えてくれることだが、このアプリはほかのアプリと一味違う。特徴的な機能があるのだ。AR技術が用いられているのである。AR機能の特徴を解説するとともに、ナビゲーションアプリとしての使用感をお伝えしよう。
「MapFan eye」の最大の特徴は、AR技術を用いてガイドしてくれることだ。iPhoneをかざすと、iPhoneのカメラを通じて実際の風景に目的地までの進行方向を常時示してくれるらしい。これなら地図が読めない人でも救われるかもしれない。
実際のところ、どうなのか。12月10日午前、九段下から竹橋にあるパレスサイドビル内の郵便局までをルートに設定し歩いて試してみた。
目的地設定とAR機能の使い方・見方
まずは、目的地設定。検索窓に任意のキーワードを入力して、検索窓の下にある「スポット」「住所」「駅」「電話番号」「周辺施設」から選択して目的地を絞り込む。「駅」とあるのは、歩行者専用アプリだからだろうか。歩行者視点でいくと、確かにこの項目があることで、目的地設定は楽になりそうである。
ということで、目的地に向かって歩こうとしたが、「あれっ? ARが表示されないぞ」とここで一瞬戸惑いが……。
何のことはない。iPhoneを横に傾けると、うまく表示された。iPhoneを横持ちにするとAR空間で案内、縦持ちにすると俯瞰した視点で見られる通常のマップでルート案内をしてくれるのだ。
iPhoneを横持ちにして表示されたのは、緑色の一本のライン。どうやらこれにしたがって歩行すればよさそうだ。ラインの下には、地名と距離が表示された。これは、右左折ポイントの地名で、そこまでの距離を示しているらしい。
しばらく歩いていくと、急な曲がり角が前方に見えたが、そこでは白の矢印をもって、どこを右左折するかを的確に表示してくれた。そして左折箇所に差し掛かると「ポーン」と音が鳴り、ポイントを示してくれた。
あとは、左折して直進するだけ。そこで目的地だ! というのはあまりにつまらないので、ここでルートから逸れてみることに。本来直進すべきところを左折すると、緑色のラインは消え、さらにしばらくして「ルートから外れました」と音声で案内してくれる。
「あいよ」とつぶやきながら、地図画面にもどったが、当初設定したルートを案内するばかり。オートリルートはされなかった。
とはいえ、ノープロブレム。もう一度、手動でルートを設定すれば何の問題もない。