カーボン三脚とアルミ三脚とでは、使用感にどんな違いがあるのか、ちょっとした実験を行ってみた。比較用に用意したのは、サイズ面では「カーボン 723 EXIII」とほぼ同じクラスとなる同社のアルミ三脚「エイブル 300EX」だ。

カーボン 723 EXIIIに「EOS 5D Mark III」をセットしたところ

この2製品の基本スペックは以下の通り。

製品名 縮長 全高 総重量 搭載機材の最大重量
カーボン 723 EXIII 640mm 1,737mm 1,770g 4kg
エイブル 300EX 655mm 1,400mm 2,500g 5kg

ここでのポイントは「カーボン 723 EXIII」のほうが縮長が短いにもかかわらず、全高は30cm以上も高くなっていること。しかも、重量は「カーボン 723 EXIII」のほうが730gも軽い。搭載機材の最大重量では「エイブル 300EX」のほうが勝るものの、持ち運びの負担という点では、より軽量な「カーボン 723 EXIII」が有利といっていいだろう。

アルミ三脚「エイブル 300EX」(左)とカーボン三脚「カーボン 723 EXIII」(右)

アルミ三脚「エイブル 300EX」(左)とカーボン三脚「カーボン 723 EXIII」(右)

下の動画は、デジタル一眼レフに望遠ズームをセットし、撮影の最中に意図的に三脚に振動を与えたもの。どちらの三脚でも、大きな揺れが生じる点は同じだが、揺れ方の違いに注意して見て欲しい。「カーボン 723 EXIII」のほうが、振動がすぐに収束することが分かるはず。カーボンは軽量ながら振動吸収性に優れるためだ。

動画(クリックしてください)
アルミ三脚「エイブル 300EX」を使用して撮影(再生時間約12秒、ファイルサイズ9.47MB)
動画(クリックしてください)
カーボン三脚「カーボン 723 EXIII」を使用して撮影(再生時間約13秒、ファイルサイズ10.7MB)

さらに下の動画では、より違いを明確にするため、ライブビューの表示を10倍に拡大した状態を動画として記録している。やはり「カーボン 723 EXIII」のほうが揺れが小さいことが分かる。

動画(クリックしてください)
アルミ三脚「エイブル 300EX」を使用して撮影(再生時間約12秒、ファイルサイズ10.1MB)
動画(クリックしてください)
カーボン三脚「カーボン 723 EXIII」を使用して撮影(再生時間約5秒、ファイルサイズ4.14MB)

「カーボン 723 EXIII」は、しっかりとカメラを支える安定感と剛性感、実用十分な高さ、まずまずの携帯性を兼ね備えた三脚だ。ミラーレス一眼やデジタル一眼レフを所有し、趣味として写真撮影を楽しんでいるユーザーの中でも初級者には特にオススメ。風景や静物、植物などの撮影のほか、これからの季節なら夜のイルミネーション撮影にも活躍するだろう。