携帯電話の利用状況は個人によって大きな差があり、「携帯電話手当」の超過分を自己負担している社員もいれば、「手当」の4分1程度しか利用していない社員もいた。また、月によって利用頻度にばらつきがあり、制度と実態が乖離している部分があった。
そこで同社は「携帯電話手当」を廃止し、NTTコミュニケーションズが提供する「0035ビジネスモード」を2012年6月に導入した。
「通話は多い月もあれば少ない月もあります。であれば、利用実態に合わせて制度の見直しを図ったほうがいいということで、『携帯電話手当』の代わりに『0035ビジネスモード』を導入することに決めました」と、総務人材開発部 総務部門長 竹川利弘氏は説明する。
「0035ビジネスモード」は、社員個人の携帯電話を業務用に使い分けできるサービス。具体的には、相手先の電話番号の前に、「003543」を付けてダイヤルすると、その分の通話料金が会社に対して自動的に請求される仕組みだ。通話料金は会社に一括請求され、通話明細はWeb上の専用サイトで簡単に確認できる。また、利用限度額や利用時間帯などを設定し、使いすぎ対策等の管理や制限を行うことも可能だ。
会社支給の携帯電話を約200台削減
さらに同社は「携帯電話手当」を廃止するタイミングにあわせ、1台でプライベート用とビジネス用の2契約を使い分けるサービスも「0035ビジネスモード」に移行したほか、会社支給の携帯電話についても、必要性を再検討。その結果、会社支給の携帯電話を約200台、削減することができた。
「パスワード化を図っておりますが、一人で携帯電話を複数台所有している場合、紛失するリスクも大きくなりますので、セキュリティの面から管理する端末数を減らしたいという思いがありました」と千野氏は語る。
そして、「0035ビジネスモード」の導入から1カ月後、その効果は携帯電話を管理する総務人材開発部の予想を上回るものとなった。