撮像素子には、1/1.7型の裏面照射式CMOSセンサーを搭載。有効画素数は1,200万画素。画像処理エンジンは「TruePic VI」で、感度はISO100~12800に対応する。実写では、四隅までシャープに描写する解像感の高さと、彩度がほどよく高められたクリアで見栄えのいい発色を確認できた。高感度ノイズについてはISO800くらいまでは目立たないように低減されている。1/1.7型センサーの搭載モデルの中でも優秀な画質といえる。

トータルとしては、前モデルから機能と操作性、画質のすべてが進化し、非常に完成度の高いコンパクトデジカメに仕上がっていると感じた。個人的に特に気に入ったのは、リングやレバー、ダイヤルによって多機能をスムーズに設定できる点だ。

試用中に不満や問題を感じることはなく、気持ちよく撮影を楽しむことができた。強いて言えば、暗所などのコントラストの低い条件でAFが迷うケースが見られたが、適宜マニュアルフォーカスに切り替えることで対応できた。といっても、総合的なAF性能は悪くはなく、コンパクトデジカメとしてはまずまずのAFだ。レンズバリアが内蔵式ではなく、着脱式であることは面倒に感じる。この点については、オプションの自動開閉レンズキャップを購入すれば解決できる。

レンズ交換式のミラーレスカメラに比べた場合は、センサーサイズがやや小さいため、ボケの表現力と高感度画質では及ばないものの、携帯性と取り回しのよさで勝り、撮影機能の豊富さと自由度の高さは匹敵するレベルだ。高機能と高画質を必要としながら、ミラーレスカメラよりもさらに小型軽量を求める人にとっては有力な選択候補になるだろう。

撮影モード:絞り優先AE(F5.6 1/250秒) / 露出補正:±0 / 感度:ISO125 / WB:オート / 焦点距離:24mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)

撮影モード:絞り優先AE(F5.6 1/800秒) / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO100 / WB:晴天 / 焦点距離:6mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)

撮影モード:絞り優先AE(F4 1/40秒) / 露出補正:-0.7 / 感度:ISO100 / WB:晴天 / 焦点距離:6mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)

撮影モード:絞り優先AE(F2.2 1/1250秒) / 露出補正:-1 / 感度:ISO100 / WB:晴天 / 焦点距離:11.3mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)

撮影モード:絞り優先AE(F5.6 1/1600秒) / 露出補正:±0 / 感度:ISO100 / WB:晴天 / 焦点距離:24mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)

撮影モード:絞り優先AE(F3.5 1/500秒) / 露出補正:-0.7 / 感度:ISO100 / WB:晴天 / 焦点距離:24mm(オリジナル画像を見る:3,968×2,976ドット)