次世代のコンパクトPCが登場

Intelから、「Next Unit of Computing(NUC)」シリーズの超小型マザーボードが2種類登場。独自の新フォームファクタ「UCFF」を採用したマザーボードで、製品の発売はこれが初めて。10cm角という小ささながら、CPUとしてIvy Bridge世代の「Core i3-3217U」をオンボード搭載しており、性能の高さにも注目だ。価格は26,000円前後から。

独自規格のマザーボード2モデルがIntelから登場。付属品はシールのみ

これは「D33217GKE」の方。基板サイズは10×10cmという小ささだ

小型マザーボードのフォームファクタとしては、VIAが主導したMini-ITX(17×17cm)、Nano-ITX(12×12cm)、Pico-ITX(10×7.2cm)、Mobile-ITX(6×6cm)といったものがある。Intelからも、Mini-ITX規格のマザーボードは発売されていたが、今回の小型化に際し、VIAのNano-ITXやPico-ITXではなく、あえて独自のフォームファクタを選んだ形だ。

特徴的なのは、基板の両面にびっしりと部品が配置されている点。どちらが表面なのか分からないが、便宜上、I/Oのコネクタ類が実装されている面を表とすると、CPUとチップセットは裏面に配置。CPUは省電力版のCore i3-3217U(1.8GHz/デュアルコア/17W)であるが、冷却用にグラフィックスカードのような外排気型クーラーが搭載されている。

CPUとチップセットを冷却するクーラーが搭載。薄型だがちょっと大きい

この面にはスイッチがあったが、おそらくこれは電源ボタンだろう

一方、表側には、メモリスロット(DDR3-1333 SO-DIMM×2)、Mini PCI Expressスロット(フル+ハーフ各1)、USB2.0のヘッダ、バックパネルのコネクタなどが搭載される。このように特殊な実装の上、そもそもネジ穴の位置に互換性がないため、従来のケースは利用できない。自作するか、今後発売となる対応ケースを利用する必要がある。

Mini PCI-Eは2スロット。基板上にSATAはないので、ストレージにはmSATAを使う

メモリはDDR3-1333/1066 SO-DIMMが2スロット。最大16GBまで搭載可能

今回登場の製品は、「D33217GKE」と「D33217CK」の2種類。バックパネルのインタフェースが異なっており、D33217GKEはデュアルHDMIとLANポートを、D33217CKはHDMIとThunderboltポートを搭載する。USB2.0×2ポートと19Vの電源入力端子は共通だ。価格は、D33217GKEが26,000円~27,000円前後、D33217CKが29,000円~30,000円前後。

2種類が登場。D33217GKEはデュアルHDMIにギガビットLANを搭載する

D33217CKはインタフェースが異なる。有線LANがなくなりThunderboltに

製品はバルク扱いのため、マニュアルやドライバなどは付属しない。電源もACアダプタを別途用意する必要があり、ちょっと導入には敷居が高いが、アビーから対応ケースが発売されるとのことなので、それを待つのが現実的かもしれない。なおPC DIY SHOP FreeTは、オリジナルのフレームの発売も予定しているとのことだ。

PC DIY SHOP FreeTで発売予定というUCFF用の"まな板"

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