新しいタブレットを使った通信教育「スマイルゼミ」の機能とサービス

実際の「スマイルゼミ」を見てみよう。ジャストシステムは今回のゼミ開講について継続して学習できる通信教育を重視して、その条件として「五感を使って理解が深まる教材」、「やる気を高めて夢中になる仕組み」、「取り組み状況がすぐわかる」の三つを挙げている。

図13 ジャストシステム通信教育の三本の柱

「五感を使って理解が深まる教材」については、主にタブレットの特性を生かし、指で教材を動かしたり、動画や音声、アニメーションを使った動きのある解説で生徒たちの五感を刺激して注意を引くこと。これは、学習に対する集中力を高めることを狙いとしている。具体的には、国語では、「音読」した内容を録音しそれを自ら聞くことで、発音が正しくできているか確認し、「聞く」学習では、コンピューターの出す音声による質問に回答する、といったものだ。算数では、立体展開図をタッチして動かすことでインタラクティブに内容を確認できる。文章題や足し算の筆算などもタブレットを使った動的解説でより理解しやすくなっている。

図14 音読システム

図15 展開図を指で動かす

理科は、体験学習を重視しており、タッチパネルで実験内容をシミュレーションし、アニメーションと画像を多用した解説で科学的思考力を育てる。社会は、分散しがちな学習内容をコンピューターの特性を生かして関連性や流れでまとめて情報を提示することで学習の理解を助ける。地図やグラフの読み取り問題など資料を読み解く問題も豊富に用意し、情報を活用する力も育てる。これらの基本科目以外にも漢字や計算ドリルも付属している。

図16 実験をシミュレート

図17 「漢字ドリル」と「計算ドリル」

また、「やる気をたかめて夢中になる仕組み」として、タブレットを自分専用の端末として提供することで、子供たちの所有欲を刺激しつつ、勉強以外にも仕えるスケジュール帳やカメラ、オリジナル壁紙など自由に使える機能を付属することで、タブレットを起動する習慣を身につける効果も狙っている。タブレットはインターネットに接続できないのでセキュリティなどの面でも安心だ。

図18 自分専用のタブレット

図19 スケジュール帳としても使える

また、それ以外にもやる気をたかめる機能として「スターナビ」というシステムが搭載されている。これは、クラウドに保存された学習データをもとに遅れている教科や苦手な問題などにスターマークをつけて表示し、それを学習することでスターを獲得。成績がよいほど多数のスターを獲得できる。集めたスターの数に応じてスターアプリゲームを楽しめる。

図20 やる気をたかめる「スターナビ」

図21 ポイントを使ってアプリで遊べる

最後の「取り組み状況がすぐわかる」については、スマートフォンや携帯電話で子供たちが教材で学習情報をリアルタイムで取得することができる。教材の学習が終了すると、学習報告がメールで送られる。ここでさらに子供たちにコメントを返信することで、叱責や励ましを行うこともできる。また、メールにはタブレットで撮影した写真を添付することができる。この機能を使って学校からの連絡帳を子供たちに撮影させて外出先などから確認することができる。保護者向けサービス「みまもるネット」では、日々の学習状況をグラフで確認することができる。

図22 リアルタイムで学習情報を確認

図23 「みまもるネット」で学習状況を確認

教材の内容については、学習指導要綱に定められている各教科の「目標及び内容」に基づいて作成されており、カリキュラムは、主要な教科書に合わせて作成されている。学習量は、一カ月約20講座、一講座約20分の内容になっている。これは、平日一講座ずつ進めていけばよい内容になっている。

図24 講座数とカリキュラム