ミクシィとディー・エヌ・エーは22日、共同で記者会見を開き、ソーシャルゲーム事業で業務提携すると発表した。これにより、ゲームデベロッパーは共通のプラットフォームでゲーム配信が行えるようになる。会見にはミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏とディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏が出席し、経緯について説明した。

フォトセッションで握手を交わす、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏(写真左)とディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏(写真右)

スマートフォンでmixiを利用しているユーザー数は、月間で800万人以上に上る。一方で、「Mobage」の有効会員数は4,500万人以上とのこと。mixiとMobageが業務提携を行うことで、より多くのソーシャルゲームをユーザーに提供することが可能になる。

今回の提携にともない、ソーシャルゲームプラットフォーム「mixiゲーム」のスマートフォン版は2013年春にリニューアルされる予定。リニューアル後、Mobage上のゲームは、mixiゲームにも容易に配信可能になる。登壇した笠原氏は「今回のアライアンスを通じて、より一層ゲーム事業を伸長させていくことができる」との考えを示した。

登壇し概要を説明するミクシィの笠原氏(写真左)

業務提携の概要(写真左)。mixiユーザーは、より多くの魅力的なゲームタイトルが楽しめるようになる

今回の業務提携の背景には、mixi・Mobage両社におけるスマートフォンユーザーの急増が影響している。Mobageにおいては今年9月、スマートフォンユーザーによるコイン消費が、初めてフィーチャーフォンユーザーのそれを上回ったという。守安氏は「Mobageの開発基盤を利用したmixiゲームを配信することで、両社の強みを最大限に活用できる」と強調した。

ディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏(写真右)。スマートフォンのブラウザでMobageを利用するユーザーが拡大している

ゲームデベロッパー側にも恩恵が多い。これまでMobage・mixiの双方にゲームを配信するには、別々のプラットフォームでゲーム開発をする必要があった。しかし「ソーシャルゲームは、一度作ってしまえば終わりというものではない。ゲームバランスの調整やイベントの追加など、日々の運用にコストがかかる。そのため、できるだけ工数は減らしたいと考える」(守安氏)のが、ゲームデベロッパー側の常識だった。共通の開発基盤があれば、少ない工数でmixiとMobageの両方にゲームを配信できる。守安氏は「ここが、今回の提携の一番大きな肝の部分だった」と説明した。

パートナーデベロッパーの現状(写真左)と、提携後のパートナーデベロッパー(写真右)

デベロッパーのメリットはデベロッパーサイトの共通化、アーキテクチャの共通化にある(写真左)。mixi・DeNA両社にとってもメリットがある(写真右)

mixiユーザーは、これまで通りmixi IDのままでmixiゲームを楽しめる。仮想通貨はmixiポイントを利用可能。mixiとMobageにおいてユーザーの相互連携は実施しないという。DeNAのメリットとしては、より多くの良質なゲームを提供可能になること、DeNAが開発した内製タイトルをmixiに提供可能になることで収益の向上につながることなどがあげられる。守安氏は「ユーザーさま、デベロッパーさま、ミクシィさま、ディー・エヌ・エーの4者にメリットがある、win-win-win-winの提携になる」と力を込めて話した。デベロッパーへの仕様公開は2013年1月の予定で、mixiゲームのリニューアルは2013年春(4月頃)になる見込みだという。

デベロッパーへの仕様公開は2013年1月の予定。mixiゲームのリニューアルは2013年春(4月頃)になる見込み