ファンクションリングをフル活用して、さらに便利に!

―― 楽しいだけでなく実利的でもあると。こういった機能が搭載できるのはコンパクトならではですね。ところで、外見的な特徴でいえばレンズ周囲のファンクションリングもそうですよね。

萩原氏「プログラムオートやプレミアムオートPROなどのモードでは、ファンクションリングの動作はステップズームが初期設定になっています。単焦点レンズでよく用意される画角をセットしてあるので、50mmの画角がいい、135mmがいい、など画角にこだわりがあるユーザーにも便利に使っていただけるでしょう。一気にズームしたいとか、被写体に合わせて画角を決めたい方には、従来のズームレバーを使っていただければと思います」

多様な使い方ができるZR1000の重要なインタフェース、ファンクションリング

田中氏「このファンクションリングには、さまざまな機能を割り当てることができます。背面の『RING』ボタンを押していただくと、ファンクションリングに割り当てられる機能が表示されます。EVシフト(露出補正)やホワイトバランスなどを割り当てられるので、カメラを構えたまま、シャッターから指を離さずにそれらの設定を変えてもう一枚撮る、といった使い方ができるんですね。

しかも、割り当てられる機能はモードによって変化します。Sモードならシャッター速度の変更を割り当てたり、Aモードなら絞り値を割り当てたり、といった感じですね。アートショットモードなら、アートエフェクトのアートレベル(HDRアートのレベルやモノクロの濃さなど)を割り当てられる。HDRアート以外なら、アートレベルの効果を撮影前に液晶モニタ上で確認できるので便利ですよ」

ファンクションリングには、好みの項目を割り当て可能。割り当てられる項目は撮影モードや再生時によって変化する

萩原氏「ファンクションリング自体は、他社の高級コンパクト機でもよく見かけるようになった装備です。が、ここまで踏み込んで使ってはいないと思います。ZR1000では、前述の撮影機能の呼び出しに加えて、再生時の画像送りにもファンクションリングが使えます。具体的には、10枚、25枚、50枚、100枚といった単位で画像を送ったり、撮影日ごとに写真を送ることができる。ZR1000のファンクションリングは、その位置と形状が持つ可能性、そして利便性を徹底的に追求しているんですよ」

―― 今、メニュー画面を動かしていて思ったんですが、UIの表示もすごくキレイになりましたね。表示切り替えも速くてストレスを感じませんし、アニメーションアイコンが使われるようになって、さらに分かりやすくなりました。

萩原氏「今回、映像エンジンが『EXILIMエンジンHS Ver.3』に進化しました。ZRシリーズのお家芸ともいえる2つのCPUと2つの画像処理系統、目的に応じてハードウェア(回路)の構成を自由に変えられるリコンフィギュラブルプロセッサ、そして、ベクターグラフィックスコアを持っています」

―― それはつまり、 ベクトルグラフィックを描画するための専用の回路ですか?

田中氏「そうです。文字やアイコンなどの解像度を2倍以上に引き上げて見やすさを格段に向上させつつ、UIレイヤーの高速描画を実現できているのは、ベクターグラフィックスコアの力です。

ZR300など従来機のEXILIMエンジンHSは、基本的な足回りの高速化に注力して開発していました。以前のUIも使いやすいとご好評をいただいていましたから…。過去にベクターグラフィックスコアを使ったのは、EX-H20G(編注:GPSと地図を内蔵したEXILIM)ですね」

ZR1000のUI(ユーザーインタフェース)。ベクターグラフィックスコアにより描画されるUIは、従来の約2倍の解像度を持つ

GPSと地図を内蔵したEX-H20Gでは、地図の描画にベクターグラフィックスコアを使っているという

―― あっ、地図の描画ですか? あの地図はキレイですもんね。

萩原氏「そうです。H20Gも私が担当したモデルだったんですよ」

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