Windows 8時代の新操作 - タッチパッド搭載リモコン
PCとタブレットを融合する新OS、Windows 8の登場にあわせて、PCメーカー各社はタッチ操作を前提にした新モデルを次々と市場に投入してきている。そのうち、ノートPCを中心に多く採用されているのがタッチパネル方式の液晶ディスプレイだ。
一方、ある程度距離を置いて使うこともあるデスクトップPCの場合は、タッチパネル以外の技術を採り入れた製品も少なくない。本機「VALUESTAR N VN770/JS6」もその1つだ。
製品外観は人気のあった前モデルのコンセプトを受け継ぎながら、新しいデザインが採用されている。特に大きく変わったのが、前面の脚部分。左右の脚の底部が板でつながっており、ちょっとしたはずみで机から片脚がはみ出してもバランスを崩さないようになっている。
狭いPCラックなどに設置して使う場合、側面にある光学ドライブにアクセスするため本体を動かして向きを変えることがあるが、そうしたときに脚部がはみ出して筐体が落ちる心配が少なくなったのはうれしい。
液晶ディスプレイは、21.5型で1,920×1,080ドットというフルHD解像度に対応する。IPS液晶で視野角が広く、ほとんど真横に近い角度からでも色の見え方があまり変わらないのは好印象。
本体にはHDMI入力端子が1系統搭載されており、ゲーム機やBDレコーダーなどをHDMIケーブルでつなげて本機をモニタ代わりに使うことができる。テレビや液晶モニタなどの表示デバイスを1つにまとめたい人にはありがたい機能だ。
ただし液晶にはタッチパネル機能は搭載されておらず、画面に直接触ってフリックなどの操作を行うことはできない。その代わり、他の部分にWindows 8の新UIを快適に使うための工夫が組み込まれている。
その1つが、タッチパッドリモコンだ。これは、AVパソコンに通常付属しているリモコンにタッチパッド機能を搭載したもの。リモコンがリバーシブルになっており、裏返すとマルチタッチ操作に対応したタッチパッドとして使用できる。
スタート画面にワンタッチで戻れるWindows Startボタンやクリックボタンなども装備されているので、ほとんどの操作をこれだけで行える。実際に使ってみたが、フリックやスワイプ、ピンチなどのジェスチャーをスムーズに行うことができた。
ちなみにリモコンとパッド機能は、サイドのスイッチで切り替えることが可能。スイッチはリモコン/オフ/パッドの3モードが用意されており、スライドさせるだけでモードを簡単に選択できる。
とはいえ、その分単機能のリモコンに比べて一手間増えてしまうため、若干めんどうに感じるのも事実。パッド面を上に向けると自動的に機能が切り替わるような仕組みがあれば、より快適に使えるのではと思う。
付属マウスもWindows 8に最適化されたものに変更されている。スクロールホイール部が左右に倒れるようになっており、左に倒すとチャームバーが表示され、右に倒すとアプリ一覧が表示される。通常のマウスを使う場合に比べてマウスの移動やクリック数を減らすことができ、使い勝手は良好だ。
このほか、液晶ディスプレイ上部に内蔵されているWebカメラに向かって手をかざすだけで本機のTV機能を操作できる「ハンドパワー」機能も搭載されている。手を振るジェスチャだけでチャンネルを変えられるのは意外に便利。料理中でPCに触れない時やリモコンが見当たらない時などにも役立つだろうが、実用的な機能というよりは、使って楽しい機能という印象だ。
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