――なんかこうして聞いてると幹事はやることが多くて大変ですね。

絵音:確かに大変ですけど、いろいろな人の反応を客観的に見れるから勉強になるんですよね。こういう口説き方だとこうなるのかとか、こういうリアクションをとればウケるのかとか。だから、自分の恋愛力の勉強というか。だから、名幹事と呼ばれてる人は恋愛力がある人が多いですね。

――男性の場合も同じですか。

絵音:そうですね。男性は結構仕事に役に立つこともあると思うんです。クライアントの接待とか上司との飲み会とか。私のまわりでも合コンによく行っている人で出世している人もたくさんいますからね。

――特にやり手の業種は?

絵音:某広告代理店大手の合コンはすごいです(笑)。会場につくと、ベルトコンベヤーに乗ったような感じで物事が進んでいくんです。間髪いれずにいろいろなイベントが入ってくるので、休む暇がないんですよね。合コンにおいては他社を圧倒していますし、技術的には芸人さんと張るぐらいだと思います。広告代理店の方は飲ませ上手で、芸人さんの場合はカップル作るのに命懸け(笑)。職業によってそういうカラーが出るのかもしれませんね。

――かつては3年間で1,000回コンパに行ったこともあったそうですが最近は?

絵音:今は仕事としてコンパをセッティングしていますけど、マーケティングも兼ねて誘われれば行くようにしています。最近感じているのは、やっぱり40~50代の男性はバブルを味わっている人が多いので、遊びに対してすごく積極的なんですよね。それに比べて20代からの若い方は…ちょっと元気ない方が多いです(笑)。もちろんすごくパワフルな人もいますけど、その格差が広がっているような気がします。生まれた時代の違いがそういう部分で出ているんでしょうね。今の若い方々は生まれてから節約世代とも言えますし。

――さて、日本合コン協会を今年の5月8日に設立されたそうですね。

絵音:そうなんです。コン(5)パ(8)の日に設立しました。実はその記念日も合わせて制定したんです。それまでは会社として合コンをセッティングしたりしてましたけど、私は合コンを愛しすぎているので、中立な立場で合コンの魅力を広げていきたいなと思ってはじめました。合コンって幹事を立てて人数を決めて、その初対面から出会いが生まれますよね。そういうお膳立てって日本人ならではなんです。海外の方にとっては不思議な感覚みたいで。もっと海外の方に知ってほしいと思ってこの前、海外では初となる台湾での街コンを行いました。

――記念すべき1カ国目がなぜ台湾だったのでしょう。

絵音:いろいろな国を見て回ったんですけど、やっぱり親日というのが大きかったですね。震災がきっかけで知った方もいると思います。それに台湾の方もグイグイいく方が少なくて、その点、日本人とも似ていると感じました。

――盛り上がりましたか?

絵音:盛り上がりましたね~! 日本酒持っていったんですけど、みなさんすごく飲んでいただけました。あとは、言葉が通じないので、黒ひげ危機一髪を持って行ったり。ご好評につき、第2回もやります! ちなみに、日本でも「街コンワールドワイド in 麻布コン」を11月25日に開催します。外国の方も対象となる街コンになりまして、きっとこちらも盛り上がると思いますよ!

10月27日に富士急ハイランドで行われたエンタメ街コン"フジコン"

――最近では街コンもよく耳にします。

絵音:そうですね。でも、最近は冠にできるような地域がなくなってきてるんです。例えば新宿コンは新宿駅前コン、新宿駅西口コンとか、新宿三丁目コンとか小分けになってきてるんですよ。それぐらいやる地域がなくなってきているので、これからは「イベコン」、イベント別の合コンが増えつつあります。この前は富士急ハイランドの富士コンに行ってきました。あとは犬好きの犬コンみたいに、同じ趣味を持つ人が集まるコンパ。オフ会に近いスタイルだと思いますけど、同じ趣味の人同士だと会話にも困らないですよね。

■罰ゲームの結果

1つ目のロシアンたこ焼きでわさび入りを引き当てたのは…編集スタッフの一人M。しかし、リアクションが薄かったため、誰もそのことに気づかないという失態を演じてしまう。それを見た絵音さんからは「やっぱり罰ゲームはリアクションが大事ですよ!」と合コンシェルジュらしい的確なアドバイス。続いて登場したのがロシアンドラキュラ。トマトジュースがベースになっているので、どれにタバスコが入っているかは外観では全く見分けがつかない。迷っていても仕方がない。全員が一斉に口に含むとある人が急に叫んだ。「からーーーーーい!!」。絵音さんだった。


合同ハイキング、ねるとんパーティー、異業種交流会、婚活、そして街コン。日本の男女の出会いの場は時代とともに変化をしながらも、根底には日本ならではの"お見合い"文化が脈々と受け継がれている。絵音氏はそのすべての原点が"合コンにはある"という。

そして、2,000回以上のコンパを経験した彼女が高く評価する「合コンとカラオケ」の親和性。これまで何気なく行っていた「カラオケコンパ」も、今回の必勝法を踏まえて臨むと、また別の結果があなたを待っているかもしれない。