Retinaディスプレイを搭載したとはいえ、プロセッサやグラフィックス周りの性能は6月に発売された非Retinaモデルから変更はない。CPUは2.5GHzのデュアルコアIntel Core i5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.1GHz)で、グラフィックスはIntel HD Graphics 4000だ。なお、アップルストアのBTOを利用すれば2.9GHzのデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)を選択することも可能。
パフォーマンスに差がないとはいえ、もともと現行のCoreプロセッサの性能が高いため、日常の使用で不満を感じることは少ない。グラフィックソフトをバリバリ使いこなしている人は若干力不足を感じるシーンもあるだろうが、ほとんどの人にとっては十分すぎる性能だ。
そこで、ベンチマークソフト「Geekbench(64bit版)」を使ってプロセッサやメモリの性能を計測し、15インチRetinaモデルと比較してみた。その結果は下表の通り。
Geekbenchによるベンチマーク
MacBook Pro Retinaディスプレイモデル | ||
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ディスプレイサイズ | 13インチ | 15インチ |
CPU | Intel Core i5 (2.5Ghz) | Intel Core i7 (2.6Ghz) |
メモリ | 8.0GB 1,600MHz DDR3L | 8.0GB 1,600MHz DDR3L |
Integer | 5,703 | 11,172 |
Floating Point | 9,854 | 19,392 |
Memory | 6,162 | 6,994 |
Stream | 7,249 | 8,198 |
Geekbench Score | 7,402 | 12,915 |
ベンチマーク結果を見るとクアッドコアIntel Core i7プロセッサとディスクリートグラフィックスを搭載した15インチRetinaモデルに比べて約半分ほどのパフォーマンスとなっており、思った以上に性能差は大きかった。
もっとも、15インチRetinaモデルとは本体サイズがかなり違う。とくにフットプリントの大きさは13インチの方が圧倒的に小さい。15インチだと専用のカバンが必要になるが、13インチならインナーケースに入れれば普通のブリーフケースにも無理なく収納できる。持ち運びを重視するなら13インチの方が明らかに有利。逆に性能を求めるなら15インチを選んだ方が悔いはないだろう。
持ち運ぶとなると気になるのがバッテリー駆動時間だ。アップルが公表しているスペックを見ると、ワイヤレスインターネット閲覧時の最大駆動時間が約7時間となっている。そこで、実際にどれだけもつかチェックすることにした。
まず、ローカルに保存した動画(1,920×1,080ピクセル/H.264/AAC、再生時間4:10の映像)をフルスクリーンでリピート再生したところ、5時間38分経過したところで「現在予備電力で動作しています」という警告画面が表示された。それを無視して再生を続けると、7分後に自動的にパワーオフになった。合計すると5時間45分。
次に、無線LAN経由でYouTubeのフルHD動画をフルスクリーンで連続再生したところ、3時間ちょうど経過したところで「現在予備電力で動作しています」という警告画面が表示された。それを無視して再生を続けると、その9分後に自動的にパワーオフになった。合計すると3時間9分。これだけ負荷がかかる条件で3時間以上もつのは、かなり健闘していると言っていいだろう。
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