機能比較の前に:初期設定と利用
インストールされたIMは、メニューバーの「言語とテキスト」アイコン(「あ」「A」などが表示されているアイコン)をクリックすると一覧で見ることができる。どのIMが選択されているかはアイコンの違いで確認することができ、違うIMに切り替えたい場合はメニューの一覧から使いたいものを選択すればよい。
入力ソースの一覧の下には、選択されているIMの設定などを行なうメニューが表示され、それぞれに独自の機能を利用することができる。
インストール済みのIMが一覧に表示されていない場合は、[システム環境設定]-[言語とテキスト]の「入力ソース」タブを確認しよう。ここでチェックが付いているIMがメニュー一覧に表示される。表示されなかったIMはチェックが外れた状態になっているはずだ。
機能比較その1:誰もが気になる変換対決
まずはそれぞれのIMで長文変換などを行い、その変換精度を競ってみよう。まずは日本語変換で次の文章をそれぞれのIMで一気に入力して変換させてみる。
おきなわにはたいふう21ごう、つうしょう「ぷらぴるーん」がていたいしており、ここすうじつずっとてんきのわるいひがつづいている
実を言えば、ATOKは筆者が通常使っているIMであるため、一部の変換に癖が付いている(「」を[]と変換することや、数字を半角変換する点)ことをお断りしておくが、意外にも一番正しい変換を見せたのはことえりだった。
次の例文は、夏目漱石「坊ちゃん」の冒頭部分から。こちらも文章を一気に入力して変換を行なった。
元の文 | 親類のものから西洋製のナイフを貰って奇麗な刃を日に翳して、友達に見せていたら、一人が光る事は光るが切れそうもないと云った。 |
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ATOK | 親類の者から西洋制のナイフをもらって綺麗な歯を火にかざして、友だちに見せていたら、一人が光ることはヒカルが切れそうもないと言った。 |
ことえり | 親類の者からせい要請のナイフをもらってきれいな葉を火にかざして、友達に見せていたら、一人が光ることは光るが切れそうもないと言った。 |
かわせみ | 親類のものから正要請のナイフをもらってきれいな歯を日にかざして、友達に見せていたら、一人が光ることは光が切れそうもないといった。 |
Google日本語入力 | 新類のものから整容性のナイフをもらって綺麗な葉を火にかざして、友だちに見せていたら、一人が光ることはひかるが切れそうもないといった。 |
こちらもATOKの変換に一部癖がついているが(「ヒカル」となっているのはおそらく人名として変換しようとしたと思われる)、ナイフの「刃」という変換がどのIMもできないのは残念。また「西洋製」も正確に変換できたIMはなかった。
今度は難読名字、地名に挑戦してみよう。それぞれの語句を単独で入力し、変換を行なっている。
語句 | 常世田 (とこよだ) |
根来 (ねごろ) |
真砂 (まさご) |
安食卜杭 (あじきぼっくい) |
与那原 (よなばる) |
東江 (あがりえ) |
安慶名 (あげな) |
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ATOK | 常世田 | 値頃 | 真砂 | 安食卜杭 | 与那原 | 東江 | 安慶名 |
ことえり | 常世田 | 値ごろ | まさご | 安食ぼっ食い | 与那原 | 東江 | あげな |
かわせみ | 常世だ | 値ごろ | 真砂 | 安食卜杭 | 与那原 | あが理恵 | あげな |
Google日本語入力 | 常世田 | 値ごろ | 真砂 | 安食卜杭 | 与那原 | 東江 | 上げな |
「根来(ねごろ)」はそれぞれ変換候補には出てきているが、一発変換はこの状況では難しかったようだ。「安慶名(あげな)」はATOKのみ正しく表示できた。
今回のように長文をそのまま変換するということは少ないだろうし、文節変換を行えばちゃんと候補にはそれぞれの単語は表示されていることを考えれば、変換対決は甲乙つけがたいと言って問題はないかもしれない。
- 【結果】いずれも甲乙つけがたく、おおむね優秀。
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